院長あいさつ

3月あいさつ(2020年)
 波乱の3月の幕が開けました。日本ばかりでなく、今や世界中が新型コロナ感染症のために、かつて経験したことのない苦難に直面しています。日本では特に北海道での感染者の増加が顕著で、2月28日に鈴木知事は非常事態宣言を行いました。これに続き、安倍首相は全国の小中高の学校の休校を発表し、3月2日から実施されています。これにより、子供を持つ親が出勤できなくなる事態が発生し、職場に影響が出始めています。また海外からのインバウンドが突然なくなることにより、観光業のダメージは深刻で、加えて外出の自粛要請のため、サービス業を中心に、あらゆる分野で経済活動の停滞が起きようとしています。

 私は、これまでの日本政府によるクルーズ船や水際対策などの防疫対応を見て、国は国民を本気で守る気がないということを、ある時点において確信し、呆然としました。コロナ感染者が継続的に入国できる状況を残しておきながら、しかも診断のために必要なPCRテストを行えない状況では、医者としてできることは限られているからです。3月6日からはPCRテストは保険適応となりましたが、限られた施設のみでの実施となり、依然として実質は重症者のみの対応が続くと見られます。ごう内科では漢方治療も行っておりますので、中国での漢方治療の文献などを参考にしながら、西洋医学と組合せながら、試行錯誤で治療にあたっております。反応は良好なのですが、そもそも診断がついていないので、治療効果を学術的に評価することができません。PCRができず診断ができない、ということは、何が有効な治療なのかを検証することができないということでもあるのです。加えて、重症化してからの診断、治療となるため、感染初期からの早期治療の研究や検証が全くできない状況にあります。これは早期発見早期治療の原則に反するものです。

 クルーズ船のダイヤモンドプリンセス号にDMATの一員として参加した神戸大学岩田教授の告発の中で非常に印象に残った言葉があります。「自分の安全を守れない人は、他人の安全も守れない」。中国からの国賓やオリンピック、国立感染研究所絡みの問題等々、政治的な配慮があるのはわかりますが、優先順位として、国民の命を第一に考えて欲しかった、というのが国民の総意ではないでしょうか。岩田教授の警告をひっくり返して考えると、国民の安全を守れない政府は、自分たちの安全も守れない、ということにもなるのではないでしょうか。1日も早い事態の収束を願わずにはいられません。

 ごう内科では、一般患者さんと風邪の患者さんの導線、待合、診察室、会計などを別にして同じ空間を共有することのないように対応しております。また持続換気を行い、環境消毒を日に複数回行い、さらに医師と看護師(感染対応1名)は、帽子、マスク、ゴーグル、防護服を身につけ、院内感染防止対策を講じております。その姿を見るなり、「この先生、ごう先生ですか?」と聞かれる方もいらっしゃいますが、替え玉ではないのでご安心ください。

 しばらくは、外出を控える日々が続き、ストレスがたまりますが、自宅でできる新しい趣味や楽しみを見つける良い機会と捉え、前向きに元気で過ごしましょう。

 写真は、西岡公園水源地の夕景です。自然はコロナに関係なくいつもの美しさを見せてくれます。


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2月あいさつ(2020年)
 2月になりました。記録的な少雪のまま終わるかと思われた今冬、やはり冬将軍は許してくれませんでした。しかし雪祭りにとっては幸いで、雪像も溶けることなく、良いコンディションで、お客さんの目を楽しませることができたのではないでしょうか。

 仕事で近くを通りかかったので、大通り会場を見てきました。たくさんのお客さんに混じり、素晴らしい雪像に夢中になりながら写真を撮っていたら、気がつくと周りから中国語しか聞こえませんでした。折しも新型コロナ肺炎で、中国の団体客は来ていないはずですが、個人客だけでも相当数来日していると思われました。テレビでは連日のようにコロナウィルスの報道がなされ、日に日に増える感染者数と死亡者数に不安を感じている方も多いと思います。日本は現在、武漢からの帰国者や豪華客船乗客に対し、まさに水際対策を行っている最中ですが、2次もしくは3次感染の発生の可能性もあり、今後も余談を許さない状況です。予防としてマスク、うがい、手洗いが有効とされ、実際にこれらを励行しているせいかはわかりませんが、今年のインフルエンザの流行は幸いにも例年の1/4程度で済んでおります。コロナウィルスにもこれらの対策は有効ですので、今しばらくは続けていただいた方が良いと思います。しかし、ちまたではその肝心のマスクが売り切れ、私も出張がてらかなりの田舎のドラッグストアにも行ってみましたが、どこもマスクどころか手指消毒薬も完売でした。マスクでお困りの方は、ネットで自作のマスクの作り方が紹介されておりますので検索してみて下さい。ハンカチとヒモ、そしてキッチンペーパーと輪ゴムで上手に作っており感心しました。最終的にもっとも重要なのは、自分の手に着いたウィルスが顔をいじるときに鼻や口から入ることが懸念されますので、外出から帰ったらまずは手洗いを徹底しましょう。

 あと1ヶ月もしたら、気温も上がり雪解けも大分進むと思われます。インフルエンザのように、コロナウィルスも暖かくなると減少することが予想されており、沈静化に向かい、無事にオリンピックが行えるような平和な状態に戻ってくれることを切に願います。

 写真は厳冬の支笏湖夕景です。


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1月あいさつ(2020年)
 記録的に少ない雪のまま年が明けましたが、1月の中旬を過ぎようとしているのに、未だまとまった雪は降らず、このままだと、史上最も少ない積雪量の記録を更新するそうです。滑って転倒することも、雪かきをすることもなく、極めて過ごしやすい冬となっておりますが、本来あるものがないとちょっと物足りない気もします。

 一方で南半球のオーストラリアは大変なことになっています。異常気象で40度を超える場所が多発し、雨も降らず、極度の乾燥で森林火災が多発しています。衛星写真を見ると、国土全域がまんべんなく燃えており、火災の総面積は実に日本列島の2/3にも達し、6,500棟以上の家屋が被災し、29名の方が亡くなられ、更に10億匹以上の野生生物が犠牲になり、中でもコアラは絶滅の危機に瀕しているそうです。当然消防士は24時間態勢で消火活動に当たっているのですが、9月から続く火災との戦いで疲労の色濃く、煤だらけのまま消防車の中や道路の上で仮眠をとる痛々しい写真を見ると心が締め付けられる思いです。
 
 そんな中、心配しつつも、ケアンズに行ってきました。しかし、当地は実に平和で、煙もなく、現地の人達ものんびりと暮らしていて、森林火災は別の世界のようで拍子抜けしました。この時期は雨期とのことで、昨年はずっと雨だったようでしたが、幸か不幸か、私が滞在している間は快晴でした。滞在中は森林火災の話しは一切聞かず、さすが国土の広い国だなあと感じました。ケアンズ一帯にはサトウキビ畑が広がっており、その面積はなんと本州と同じ面積だそうです。どうやって種をまいて収穫するのだろうと見当もつかないスケールです。このためか、砂糖の1年間の消費量は、日本女性9kgに対し、オーストラリアの女性は54kgで、現地の方達はそれにふさわしい堂々たる体格の方が多くいらっしゃいました。それとは別に印象的だったのは、人々の親しみやすさです。撮影をしながら街や観光地を歩いていると、老若男女に関わらず、皆さん「ウェルカムトゥオーストラリア!」と騒ぎながらフレームに入ってくるのです。こんな国はこれまでどこにもありませんでした。私にとってはとてもうれしい出来事でした。
 美しい街、自然、かわいらしい動物たち、そしてフレンドリーで陽気な人達がいる国、オーストラリアの災害が、一日でも早く治まり、元通りの平穏な暮らしが戻るように祈りたいと思います。

 インフルエンザは1日定点観測7名程度と、幸いにもまだ大流行には至っておりません。しかし、例年のピークは2月中旬の定点40〜70名ですので、まさにこれからが本番です。うがい、手洗い、保温、保湿を心がけ、風邪症状がでた場合は、速やかな受診、治療をお勧めします。
 皆様が、お元気で健やかな一年を過ごせますように。

 写真は、グレートバリアリーフの珊瑚礁です。


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12月あいさつ(2019年)
 今年は11月から雪が降り、その後も降雪が続き、どうやら早くも根雪になってしまったようです。上川地方では、最低気温がマイナス20度近くを記録し、積雪も既に1メートルを超えた地域もあるようです。温暖化も厳しいですが、その反動も厳しいのでしょうか。

 今年は、スポーツが飛躍的に進化し、たくさんの感動と驚きが産まれた年でした。記憶に新しいラグビーワールドカップでも、多くの個性的なメンバーが日本を湧かせました。多国籍なチームが日本のために力を尽くしている姿を見て、私は映画「七人の侍」を想起しておりました。志はあるものの浪人となった侍達が、山賊に襲われている、自分たちとは縁もゆかりもない農村を命がけで守ろうと奮闘する映画です。魅力的な登場人物が一人欠け、そしてまた一人・・・そして最後は三船敏郎演じる愛すべき暴れん坊、菊千代が敵と差し違えてついに村を守るのです。南アフリカ戦でのリーチ・マイケル選手や中島イシレリ選手は、私には志村喬と三船敏郎に見えました。

 フィギュアスケートも大変なことになっています。男子は4回転を5回以上飛ばないと優勝できず、あの羽生選手ですら常勝できない事態になっています。2022年北京オリンピックでは、前人未踏の3連覇を果たし、全身でプーさんシャワーを浴びて欲しいものです。そして女子は更に進化し、信じられないことに、もはやトリプルアクセルでは足りず、こちらも4回転を複数回飛ばないと優勝できません。ザギトワ選手と紀平選手も霞みつつあり、真央ちゃんの時代がノスタルジーになろうとしています。一体人間は何回転まで飛べるのでしょう?

 他にも、陸上100mで3人もの日本選手が9秒台で走り、NBAバスケでは八村塁選手が大活躍、バドミントンは男女ともに上位を独占、卓球も中国に肉薄しつつあり、少子高齢化にあっても、若者達が世界と互して戦っている姿を見ると、私達中高年もまだまだ頑張らないといけないですね。
 
 ともあれ、まずは健康第一ですので、寒い季節、暖かくして、保湿、うがい、手洗い、十分な休息、栄養補給、そして適度な運動をしながら、風邪を引かないよう、お元気で年末年始をお迎え下さい。体調不良の際は、いつでもお気軽にご相談ください。
 来年も医療と介護が連携し、皆さんの健康と生活に貢献できるようスタッフ一同力を合わせて参りたいと思います。来年もよろしくお願い申し上げます。

 写真はオロフレ峠の一面の美しい樹氷の森です。冬将軍の手みやげでしょうか。


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11月あいさつ(2019年)
 ついこの間まで、台風でてんやわんやだったのに、気がつくと紅葉は終わりを迎え、早くも初雪が降り、冬がすぐそこまで来ています。栄通は銀杏の落ち葉が舞い、当クリニックの駐車場も毎朝黄金色に染まっています。
 
 そんな中、ビッグニュースが飛び込んできました。なんと来年の東京オリンピックのマラソンと競歩が、突然札幌で開催されることになったのです。札幌ではもともとサッカーの試合が予定されておりましたが、これに花形の競技が加わり、さながらプチ札幌オリンピックの様相を呈してきました。決定の背景が判然とせず、多くの議論を呼びましたが、札幌としてはお願いされる立場ですので、期待に応えられるよう真摯に対応していきたいところです。宿泊を含めたインフラなどの問題がありそうですが、大きな経済効果や札幌を世界に知って貰う効果、はたまた2回目の冬期札幌オリンピック誘致にも相当有利に働くのでは?という期待もあるそうですから、まさに棚からぼた餅、千載一遇のチャンスと言えるでしょう。来年は札幌市民として、オリンピックを存分に楽しめると良いですね。
 そして、10月22日は令和天皇の即位の礼、11月10日には祝賀パレードが行われ、内外に広く即位を宣言されました。多くの諸外国から首脳が来日し、改めて世界最古と言われる日本の皇室の伝統の重さというのを感じることができました。個人的には天皇と言えば、幼少時代にテレビで観た、やさしくもどこかユーモラスで、かつ威厳を備えた昭和天皇が強く印象に残っていますが、令和天皇は、私よりちょっと年上くらいの同世代で、勝手に親近感を抱いております。生きている間に、一度は天皇陛下をこの目で見てみたいものだなあと考えておりますが、叶う日は来るのでしょうか?

 今年は、例年より早く、インフルエンザの流行期を迎えております。ワクチンをご希望の方は、早めの接種をお勧めしております。予約制となっておりますので、スタッフにお声がけ下さい。

 写真は、ウトナイ湖近くの森の夕焼けです。


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10月あいさつ(2019年)
  10月になり、突然冷え込みを感じるようになりました。9月末には例年より早く、利尻富士や大雪連峰で初冠雪が記録され、一直線に秋、そして冬へと向かっているように感じます。

 そんな中、日本を熱くしている男達がいます。言わずと知れたラグビーワールドカップです。2015年イングランド大会では、予選で強豪南アフリカを含む2勝を挙げながら決勝トーナメントに進めなかった日本代表ですが、今大会では、世界2位のアイルランドをも撃破し、既に3戦全勝、なんとリーグトップを維持し、決勝トーナメント進出はほぼ確実と見られています。熱く語っている私ですが、実はラグビーはルールさえ知りません。試合を見ても、なかなか前に進まないなあ、などと思ったりしてしまいます。しかし、何試合か見て、起源が同じとされるサッカーとの違いにいくつか気がつきました。まずは、大げさに倒れる選手がいない、担架で運ばれる選手が少ない、審判に文句を言わない、相手選手を挑発しない、などです。接触の頻度とインパクトがラグビーの方が格段に多いはずなのにです。これを、ラグビーの熱狂的ファンにぶつけてみたところ、彼は誇らしげにこう答えたのです。「だってラグビーは紳士のスポーツだもの。やられた振りをしたり、立ち上がれないふりをしたり、騙そうとしたり、相手に危害を加えたり、そんなことする選手がいるはずないじゃないですか」。そしてこうも言いました。「ラグビー関係の人達は、絶対に人を裏切らない人が多いですよ」。なるほど、その精神の表れが最後のノーサイドにつながっているのか、と妙に納得しました。ゲームは相手があってこそ成り立つもの、相手は単なる敵ではなく、同じ仲間として、戦ってくれてありがとう、の気持ちを大切にするとのことでした。そして、もう一つ気がついたことが、他の多くのプロスポーツと違って、あまりお金儲けにはなっていないらしいことです。日本選手のほとんどは実業団所属で他に本職を持っている人ばかりで、各国も一部の国を除いては同じだといいます。つまり、紳士たちが、儲け度外視で、純粋にフェアプレーラグビーを戦っている姿が、私達を清々しい気持ちにさせてくれるのではないでしょうか。日本チームの半数が外国出身じゃないかという指摘があります。確かにそうですが、よく考えると、それもノーサイドのうちの一つなのかもしれません。少なくとも、彼らが日本のために大和魂を持って戦っていることは伝わってくるので、最後まで応援したいと思います。

 今年は、ワールドカップに世界中から多くの人が来てくれていますが、インフルエンザも一足早く上陸したようです。本州では流行指数と言われる1.0を既に超えています。札幌ではまだ0.25ですが、今年の流行は早いかも知れません。ワクチンは予約制となっておりますので、ご希望の方はお早めにお知らせ下さい。

 写真は積丹神威岬の夕景です。日に日に日没が早くなっていますね。

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| | 11:16 PM | comments (x) | trackback (x) |
9月あいさつ(2019年)
 暑かった8月が終わり、涼しくなると思いきや、9月の北海道の最高気温を塗り替える日々が続いております。それをもたらしたのは9日に関東に上陸した台風15号でした。

 テレビでは、水没する町、多数の太陽光パネルが変形して燃え上がる模様、羽田空港駐車場の足場の大規模な崩落、陸の孤島と化し大混雑の成田空港、倒れたゴルフ練習場の鉄塔の下敷きに無残にも押しつぶされた家々が映し出されています。心配になり、千葉の友人に電話したところ、停電で夜も暗く、蒸し暑く、電動シャッターも開かないので車も出せず、信号は半分以上消えて、道路も複数の倒木で寸断され、交通機関も動かないので、やることがなく、呆然と家にいるだけ、とのことでした。当然多数の医療機関も稼働できず、多くの患者さん達が困っておられるのではないかと心配されます。まさに、昨年の北海道が見舞われた災害と同じ状況が千葉県を中心に起こっているのです。そして、ちょっと前にはカリブ海からフロリダを襲った最強ハリケーン「ドリアン」が、世界的リゾートのバハマに壊滅的な被害をもたらしました。その被害額は7000億円以上だそうです。こうした自然災害は、いまや日本だけではなく世界各地で毎年のように起きており、さらにその威力や規模が年々増している印象を受けます。地球温暖化との関連を指摘する声もありますが、科学的に原因を解明できる日は来るのでしょうか。「ノアの方舟」が現実にならないことを切に願います。

 先週、千葉県から北海道各地でサーフィンをしながら車中泊している同年代の方と知り合いになりました。彼は昨年の胆振日高沖地震の時にも北海道、しかも浜厚真にいましたが、地震にも停電にもしばらくは気がつかなかったというのです。何故かと問うと、車で寝ていたので地震に気がつかず、電気も車の電気だけでの生活なので、ややしばらくしてからSNSで知ったとのことでした。情報から取り残されるのは困りますが、私はこうした生活もある意味リスク回避になるんだなあ、と妙に感心したものです。そして彼は、今ごろ千葉県に着いた頃でしょうか。彼の安全と千葉県の1日も早い復興を願っております。

 秋は、アレルギーと風邪の季節です。急激な気候と気温の変化で体調を崩しやすい時期ですので、十分な休息を取りながら、鮮やかな紅葉が始まるのを楽しみに、元気で過ごしましょう。

 写真は、支笏湖と風不死岳、樽前山です。湖面に映る様は、絵画のような美しさです。


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8月あいさつ(2019年)
 8月になりました。寒い7月とは打って変わり、一気に30度を超える日が1週間以上続きました。夜も寝苦しく、今年は夏バテの患者さんだけでなく、熱中症患者さんが続出しました。いったい地球の気候はどうなってしまったのでしょうか?

 どうなってしまったのかと思うのは気候だけではありません。国と国の関係も近頃はおかしなことになってきています。せっかくのお隣同士、ご近所さんとうまくいっていません。理由は領土問題、歴史問題、貿易問題と様々です。ネットでは様々な意見が載っていますが、中には目を覆わんばかりの罵詈雑言、果ては国交断絶を叫ぶようなコメントも散見されます。かくいう私も、相手国の理不尽な対応に辟易することもあります。しかし、こうしたネット上だけでヒートアップしていくことに違和感を感じてもいます。
 というのも、最近某観光地で楽器の演奏をしていると、実に色々な国の人たちと話しをする機会があります。その中には日本との歴史問題、領土問題、政治問題を抱えている国々の方も多くいらっしゃいます。私も当初は身構えながら話していましたが、わかったことは、皆さん同じ普通の人間だということです。何の悪意もなく、私の演奏する音楽を共に楽しんで、互いの良き日を願う善良な人達です。だからと言って、相手に甘くしても良い、ということを言いたいのではありません。あらゆる交流をシャットアウトし、相手の顔がますます見えなくなってくることは、互いに得策ではないのではないかと思うのです。相手の顔の見えない、ネットやメディアの上だけで、集団でヒートアップしていくという状況が続くとどうなるのでしょうか。お互いの主張を戦わせていくのは大事ですし、必要な事だと思います。しかし一方では、違うチャンネル、例えば、音楽やスポーツといった文化交流は、政治とは別に続けることは大事ではないでしょうか。顔の見えない関係が、いつしか相手を鬼畜米英にまで仕立て上げ、不幸な戦いへの道をたどる、というデジャヴゥは見たくありません。戦い終わってから、やっぱり相手も同じ人間だったと気がつくのでは遅いのです。くしくも来年は東京でオリンピックがあります。平和の祭典の意味を、今一度噛みしめたいところです。

 女子プロゴルフの渋野日向子選手が、笑顔で軽々と全英オープン優勝のプレッシャーを乗り越えました。海外の人も彼女の笑顔に魅了されたようです。こうした文化を通した笑顔の交流こそが、人々の心に平和をもたらすのではないでしょうか。
 
 暑さも一段落したと思ったら、今度は台風がやってきます。最近の台風は、威力がすさまじく、北海道も大きな被害を受けるようになりました。自然の変化には十分注意し、元気で夏を過ごしましょう。


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7月あいさつ(2019年)
 7月になり、ようやく爽やかな北海道の夏がやって来ました。木々の緑もますます色を増し、鳥たちのさえずりも夏の到来を喜んでいるかのように、美しく響いています。

 6月は天気こそ悪かったですが、私にとっては印象深い出来事が多く、忘れられない月となりました。その中のいくつか特に心に残ったことを紹介致します。
 一つ目は、スペインはバルセロナからお越しいただいたバイオリニスト、アドリアーナ・アルカイデさんが当クリニックで演奏してくれた時のことです。即興で歌ってくださったのですが、歌い始めて間もなくのこと、なんと当デイサービスの利用者さんが一緒に歌を口ずさみ始めたのです。私は内心ヒヤヒヤしましたが、アルカイデさんは戸惑うどころか、とびきりの笑顔でこれに応え、歌い続けました。利用者さんも一緒に続いています。そしてなんとそれがうまいこと倍音になって、とても良い感じにハモっているのです。かつてこのようなスペイン語と日本語の即興音楽はあったでしょうか?さらにこれに加え、不思議な電子音がうまく調和し、なんとも前衛的な芸術音楽が繰り広げられたのでした。私は、最初その電子音の音源がわからなかったのですが、すぐに補聴器のハウリング音だということがわかり、まさにここでしか起こり得ない奇跡だったことに心底感動しました。コンサート終了後には、お客さんから「涙が出そうなほど感動的な瞬間でした」とのお言葉をいただき、こうしたコンサートを続けてきて本当に良かったなと思いました。
 二つ目は、某観光地でハンマーダルシマーを演奏していた時です。大阪から来たというご婦人が、何か日本の曲を、ということで、私は「浜辺の歌」を演奏しました。「ご旅行ですか?」と聞くと、恩師だった方の墓参りとのことでした。そして、そのご婦人はこう続けたのです。「生前、恩師には何もしてあげられなかったのです。せめて、あなたの曲が天国に届きますようにと願いながら聞いておりました」と手を伸ばし、空を見上げながら仰ったのでした。私は、一瞬絶句しつつも「届くと良いですね」というのが精一杯でした。自分の演奏が人の思いに乗った初めての経験で、非常にうれしくも感動的な出来事でした。
 三つ目は、ハンマーダルシマー全米チャンピオンのジョシュア・メッシック氏との思い出ですが、紙面の関係上、次回にとっておきたいと思います。お楽しみに。

 これからは気温も上がり夏真っ盛りとなります。最近は異常気象のせいで、酷暑の日も予想されますので、水分補給や扇風機やクーラーのあるところで体を冷やすなど、熱中症に気をつけながら、お元気で北海道の夏を楽しみましょう。

 写真は、千歳川最上流の景色です。知られざる絶景ポイントです。

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6月あいさつ(2019年)
 6月になりました。先月はタイのプーケットのお話をしましたが、5月の北海道で、まさかタイより暑い気温を体験するとは思っていませんでした。その日、私は道東にいました。屈斜路湖の雲海を見るべく朝3時半に津別峠に行きましたが、標高が高いのに全く寒くないのです。晴天のため雲海は見られずにホテルに戻って朝食を済ませ、近くの小川の周りを散策。呑気に楽器を奏でていると、妙に暑いのです。気がつくと朝にも関わらず30度を超えていました。その後、車で北上していくと、車の温度計はどんどん上昇。最後には40.5度を示しました。これは2度と体験できない温度と思い、車から降りて歩いてみました。吹く風は熱風でずっと暖房に当たっているかのようでした。すぐにギブアップかと思いきや、意外にも1kmほど歩いても割と平気で、湿度がないせいかそんなに汗もかきませんでした。上湧別のチューリップ公園に着くと、この時期は満開の筈でしたが、なんとほとんどの花が咲く前に乾燥して枯れていました。そしてその日は、日本の5月の気温では最高記録だったようです。最近の気象は、全く予測のつかない時代になってしまったのでしょうか。

 6月のごう内科アフタヌーンコンサートは、国際月間を迎えています。5日にはスペインからバイオリニストのアドリアーナ・アルカイデさんをお迎えました。カーネギーホールでの演奏など素晴らしい経歴を持つ一流の演奏家で、バロック音楽を中心とするクラシック、即興演奏、さらには歌まで披露していただき、素晴らしい演奏に皆さん酔いしれました。私も「ふるさと」をハンマー・ダルシマーで共演させていただき大変光栄でした。国際月間第2弾は、29日(土曜日)にハンマー・ダルシマー全米チャンピオンで映画「メアリーと魔女の花」の全編劇中音楽を担当したジョシュア・メシックさんをお迎えします。信じられないほど美しく多彩な演奏を聴くことができます。かつてない国際色豊かな月間となっておりますので、この機会にぜひ一度ごう内科アフタヌーンコンサートにお越しください。
 
 6月は一転、気温が上がらず、風邪を引く人が増えています。またアレルギーもまだ散見されます。気温の変化には十分注意され、お元気に北海道の爽やかな夏至の日々を楽しみましょう。

 写真は、道東コムケ湖の夕景です。


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