院長あいさつ

12月あいさつ(2020年)
 毎年のことですが、気がついたらあっと言う間に師走です。徐々に寒くはなっておりますが、雪はなく、まだ冬らしいとは言えません。運転も楽で雪かきもないのは助かりますが、ちょっと物足りない気もします。

 コロナは一時的に落ち着きを見せ、Go toキャンペーンで多くの観光地や飲食店が賑わいを取り戻したのも束の間、恐れていた第3波が来てしまいました。しかも今回の波はとても大きく、札幌を始め北海道はその波に飲み込まれようとしています。皆さんの身近でも濃厚接触者や陽性者が出たという話しが普通に聞かれるのではないでしょうか。高齢者施設でのクラスターに始まり、今や基幹病院ですらクラスターが次々と発生し、元々少ない感染者病床とそれを支える医療者や介護者の離脱が加わり、更にそれらを補充するために他の科や病棟から人材を満たてるため、そのあおりで通常診療ができなくなりつつある、というまさに待ったなしの危機的状態を迎えています。日本の方針は、経済を回しながら医療で手当をする、という方針なのかな?と推察し得ますが、このままだと経済も医療も両方共倒れになりかねません。

 先日、小樽運河で知り合った台湾の友人と情報交換をしました。台湾は女性の蔡英文総統が強力なリーダーシップを発揮し、3月から全ての外国からの入国禁止措置を行い、現在はPCR陰性証明のある外国人だけに渡航が許可され、更に入国後は指定の宿泊施設で2週間の滞在が義務付けられるという大変厳格な規制を敷いています。そして国民のために、ITの天才と言われたオードリー・タン氏をIT大臣に起用し、様々なアプリを矢継ぎ早に提供、全ての国民にマスクや医薬物品を迅速に届けました。日本のようなパニックや行列は起きなかったのです。その台湾の友人は大の親日家で、日本に行けないことがどれだけ残念かを語り、現在の日本の状況についてお見舞いを言ってくれました。一方、私が台湾の状況を尋ねると、全く安全で普通に生活ができ、外国に行けない変わりに国民は国内旅行を楽しんでいるとのことでした。Go toなどやらなくても経済も医療も両方回っているのです。感染者の推移を見ると、3月の第1波の時が20名、第2波はなく、12月に入りわずか9名です。しかもこれは全国での話しです。今の日本の状況と比べていかがでしょうか?台湾の状況こそが私達が望んでいた状況ではないでしょうか?台湾には「日本精神」という言葉があるそうです。日本統治時代に、近代化をもたらした日本人を鏡に「勤勉で正直で約束を守る」という人間像だそうです。日本の植民地支配を肯定する気は毛頭ありませんが、日本人が失った大事なものを思い出す機会にしたいものです。

 院内感染防止のため、風邪や発熱の方は電話やオンライン診療をお願いし、定期通院の方と接触がないようにしております。コロナをご心配の方は、「あんしんセンター」272-7119へ直接お電話ください。クリスマス、お正月に向けて皆さん健やかにお過ごし下さい。

 写真は冬の支笏湖です。カヌーの上から、湖底の美しい水紋と遠景のコントラストが綺麗でした。

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11月あいさつ
 今年は台風がまだ一つも日本に上陸しておらず、また札幌は11月初旬になてもまだ初雪が見られないという、今のところは大変落ち着いた秋になっております。私も毎朝の散歩でゆっくりと美しい紅葉を堪能することができました。

 そんな中、北海道のコロナ発生数が春の第一波を越えて史上最多数を更新しています。鈴木知事は先日、警戒体制をステージ2に引き上げました。大半が札幌での発生であり、私達市民は引き続き密を避け、感染しないよう気を付けなければなりません。しかし国の方では、Go to トラベルやGo to イートキャンペーンを実施中で、また日数制限はありますが、外国人の受入も始まっており、人の動きは活発化しています。いわゆるアクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態です。医療者から見ると、感染を減らすことを考えるとカオスな政策に映りますが、一方で経済活動は命そのものでもあり、舵取りは誰がやっても簡単なものではないでしょう。しかし、日本を含む東アジア諸国の感染者数や死亡者数の増加は欧米に比べると極めて緩徐であり、これまでどおり、一人一人が自分の身を守る意識を持ち続けることが重要です。

 先日、岩見沢の「リトルロックヒルズ」という英国庭園に行ってきました。「風のガーデン」、「うえのファーム」と並ぶ北海道三大英国庭園のうちの一つです。今年はコロナで通年閉園中でしたが、ひょんなことから社長さんが私の先輩であることがわかり、特別に一角をお借りして仲間と演奏させていただきました。ここは大泉洋さん主演の「ぶどうの涙」という映画や、サッポロクラシックビールのCMなどを撮影した場所で、広大な敷地の中にイギリスから輸入した素敵な家屋が建ち並び、のどかな田園風景が再現されています。コロナで日本はおろか北海道から出られない生活が続いておりますが、イギリスやスコットランド、アイルランド民謡などを演奏しながら、ひとときのイギリス小旅行を楽しむことができました。来年は、通常営業される予定とのことですので、皆さんもぜひ一度訪れてみてください。

 秋から冬にかけて、例年通り風邪やインフルエンザ、そして今年はコロナなどの感染症の増加が予想されます。重複感染のリスクを避ける意味でも、インフルエンザワクチンの接種をお勧めしております。定期通院の方の分は確保しておりますので、ご予約の上、お早めに接種されてください。晩秋から冬にかけて、移りゆく景色を楽しみながらお元気でお過ごしください。

 写真は、千歳川のもみじです。まっ赤なもみじが夕陽に照らされ、さらにその朱を増していました。


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10月あいさつ(2020年)
暑い夏が終わったと思ったら、朝夜は冷え込みを感じる様になり、あっと言う間に秋に突入しました。黒岳では日本一早い紅葉が始まり、市街地でも公園の木々や街路樹が一部色づいてきました。

 早いものでコロナとの戦いも半年を超えました。日常生活は激変し、旅行、外食、イベント、会合、会食など、あらゆる機会や人との交流が制限されています。国民の頑張りもあり、日本は今のところ欧米諸国のような爆発的な感染拡大には至っておりません。しかし、一方で制限のかかった生活、つまり自由を制限された社会に、生きにくさを感じている方も多いのではないでしょうか。しかし、先日、私はとても新鮮な体験をしたのでご紹介したいと思います。

 私はハンマーダルシマーという古典楽器を楽しんでいるのですが、9月に仲間と支笏湖の森の中で、ソーシャルディスタンスを保ちながらセッションをしていた時のことです。遠巻きに観光客と思われる一人の女性がニコニコしながら私達の演奏を楽しんでくれていました。見るとウクレレ持参だったので、お誘いして旅の思い出に一緒に演奏を楽しみました。聞くと、コロナ禍になってからはリモートワークとなり、パソコンさえあれば職場に行く必要がなくなったので、日本全国を旅しながら回っているとのこと。そういう人がいるというのは聞いていましたが、本当にそうしている人に会うのは初めてでした。彼女曰く、もう通勤する必要もなく、ずっと好きな旅を続けて、色々な人に出会うことができるのでとても楽しいと言っておりました。私を含め多くの人には無理な働き方ですが、毎日の通勤とオフィスに縛られた生活から、彼女はまさに解き放たれたのです。こんな働き方はコロナ禍以前から北米では一部普及していたようですが、これまでの日本では考えられなかったことです。自由を制限された一方で、別の自由を得た人もいるわけで、発想の転換によってよりよい生き方を見つけるヒントを得たような気がしました。

 芸能界では痛ましいニュースが続いております。あんなに朗らかで楽しそうに見えた将来ある俳優さん達が、人知れず悩みを抱えていたと思うと本当にやるせない気持ちになります。Withコロナで変貌を遂げた新しい社会で、まだ見えていない新たな自由を見つけることが、私達の生きる活力になるのかもしれません。

 冬に向かい、インフルエンザの季節が近づいて来ました。今年は十分な量のインフルエンザワクチンを確保できましたので、定期通院の患者さん以外にも一般の患者さんにも対応できるようになりました。ご希望の方は受付でご予約いただくようお願い致します。風邪に気を付けながら、美しい紅葉の季節を楽しみましょう。

 写真は、定山渓の白井川です。まもなく渓谷の木々は真っ赤に紅葉し、さらに美しくなることでしょう。


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9月あいさつ(2020年)
 9月になりました。紫陽花やバラも終わりを迎え、暦の上では秋となりました。しかし、季節外れの夏日が続き、夏バテを訴える患者さんも散見されるようになりました。夏バテは、漢方では脾虚(消化機能の衰え)による気虚(気力の低下)と考え、文字通り元気がなくなり、倦怠感、やる気のなさ、夏やせとして症状に現れます。温かく、消化の良い物をとるように心がけて下さい。回復の遅い方は、気虚を補う補気剤を処方しますので、ご相談ください。

 去る8月28日、安倍首相が突然辞意を発表しました。大叔父である佐藤栄作元首相の最長在任記録を塗り替えた直後の辞任でした。理由は持病の潰瘍性大腸炎の悪化によるもので、まさに消化機能障害による気虚により、気力体力の低下を招き、首相の重責を果たせなくなった末の決断だったのでしょう。漢方では、「心身一如」という言葉があります。心と体は一心同体で、心が病めば体が病む、体が病めば心が病む、という考えかたです。潰瘍性大腸炎という難病を抱えながら一国の舵取りをすることは想像を絶する困難だったと思います。第2次政権の功罪は別として、今はゆっくりと心身を休めて病気療養に努めていただきたいと思います。
 安倍首相だけでなく、私達人間は多かれ少なかれ、心や体に病を抱えながら生きています。病んだ心は体を、病んだ体は心を手当すると良くなることがあります。そんなお手伝いを、西洋医学と東洋医学両面からお手伝いできれと考えております。

 コロナ禍で苦しむ中、今年も大型台風が日本列島を襲っています。サンマが1匹1000円以上もする不漁も続いています。天変地異が日本ばかりでなく地球規模で起こっています。地球自体が病んでいて、そこに住む生き物たちにも大きな影響を及ぼしています。困難な時期が続きますが、まずは心身の健康を保ちながら平穏にすごして行きたいものです。

 写真は、レンゲショウマとミツバチくんです。互恵関係が調和を生んでいるのですね。


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8月あいさつ(2020年)
 今年は長雨の夏で、8月になっても蝦夷梅雨が続いております。一方で気温は30度を超える日も出始めており、湿気の多いじめじめした本州のような夏になってきました。そんな中、公園では色とりどりの紫陽花が満開となり、ほっと一息、安らぎを与えてくれています。
 
 温暖化や異常気象と言われて久しいですが、今年も熊本や長野で記録的豪雨があり大きな被害がありました。メディアでは50年や100年に一度の・・と報じられますが、ここ数年は毎年聞いている気がします。この異常気象は日本だけではなく、中国や韓国でも大洪水による甚大な被害が報じられており、特に揚子江上流の世界最大の三峡ダムが決壊すると上海は水没し、1億人以上が被災、周辺の9基ある原発もどうなるか・・などという不穏な記事まで目にするようになりました。今や私達は、自然災害だけでなく、皮肉にも自ら作ってきたテクノロジーによる2次災害を心配しなくてはならなくなったのです。

 コロナ禍により夏の甲子園が中止され、代わりに1試合限りの交流試合が行われています。客席での応援は部員とその家族に限られ、ブラスバンドやチアガールは学校でのリモート応援です。ブラスバンドは飛沫防止のシールドを配置し、チアガールは声を出したり踊ったりすることは禁止、座って拍手だけの応援です。途中、上半身だけのチアダンスが許され、振りを合わせて懸命に応援していました。見ていて本当に切なくなりました。さぞや悔しい思いをしているだろうなぁと思っていたら、球児や応援団の生徒達が「こうした機会を作ってくれた皆さんに感謝したいです」とか「練習した応援がちょっとできもできて満足です」など、立派なコメントを残しているのを聞いて大変感動しました。前例のない試練を乗り越えた若者達は、将来きっと美しい花を咲かせてくれることでしょう。

 暗いニュースが続き、心が沈みがちな方も多いと思います。しかし、こういう時こそ、自然や文化、芸術が心を元気にしてくれます。一人でも、友達とでもよいので、身近な自然や動物、音楽、絵画、写真、彫刻などに触れてみて下さい。無理な方は、当クリニックの待合で自然の写真と癒しの音楽のスライドショーをお楽しみください。夏バテや熱中症に気をつけて元気で夏を過ごしましょう。

 写真は、真駒内公園のキタキツネです。良く会うので友達になりました。


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7月あいさつ(2020年)
7月になりました。春の花はひととおり終わり、いよいよバラとユリ、そしてラベンダーの季節となりました。百合が原公園、東海大学やロイズ本店庭園などで楽しむことができますが、他に良い場所がありましたら教えてください。

 6月に、アンテナのブースターが故障し、待合のテレビが見られなくなりました。音がないというのは意外と寂しいもので、職員の発案で、私がこれまでにカヌーや散策の折りに撮りためた写真を写しながら、ごう内科アフタヌーンコンサートに来て下さった音楽家の方達のCDを流してみました。テレビが直るまでの一時的な企画でしたが、「癒される」「とても良い」「涙がでる」など思わぬご好評をいただき、患者さんと喜び、楽しみを共有させていただくことができて大変うれしく思いました。その後テレビが直ったので、もとのようにニュースやワイドショーを流したところ、「スライドショーはどうした?」「コロナと不倫はもう見たくない」という複数のお声をいただき、スライドショーが復活、現在も待合に流れております。最近では「スライドの流れが速すぎる」「キャプションなどの解説が欲しい」などのお声をいただいておりますので、時間を見ながら鋭意研究して参りたいと思います。病院という緊張する場所で、少しでもほっとするような時間を感じていただければ幸いです。

 北海道では幸いにもコロナ感染は下火になり、ついに私達スタッフの完全防護態勢も解除に至りました。一部の患者さんからは「せっかくのイケメン、美女たちがマスク、ゴーグル、帽子で台無しだね」と言われていたので、大変お待たせしてしまったことを反省しております。しかし、東京など首都圏では早くも第2波を迎えたと報道されておりますので、今後も気を抜かずにマスク、手洗い、ソーシャルディスタンスに気をつけてお過ごしください。

 当クリニックでは、コロナ感染の既往、つまり免疫を持っているかどうかがわかる抗体検査を実施しております。院内検査で10分で結果がわかります。ご希望の方はスタッフまでお声がけ下さい。

 写真は、千歳の美々川の写真です。北海道らしい雄大な景色が楽しめます。


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6月あいさつ(2020年)
 6月になりました。水もぬるみ、木々の緑も濃くなり、春の妖精たちの花々やライラックが終わり、藤も過ぎていよいよ夏のバラが出番を迎えようとしています。北海道はいよいよ一番爽やかな季節になりますね。

 そんな季節になっても未だコロナ禍が続いています。感染者数や死亡者数も、一時に比べ落ち着きを見せ始めていますが、地域によっては緊急事態宣言が解除されてからは、夜の街を中心にクラスターが発生しています。コロナは少しの気の緩みにつけ込んで来ますので注意が必要です。そして世間では、マスク、ソーシャルディスタンス、手洗い、テレワークなどに代表される「新しい生活 with コロナ」が叫ばれるようになりました。私も所属する会の定例会議はオンライン化されました。自宅から参加される先生もおられ、直前に麺をすする音が聞こえたり、頭しか映っていなかったり、ランニングシャツを着ていたりと、適応するまでまだ時間がかかりそうです。また来年予定されていた全国学会が延期となり、参加していた準備委員会が一旦休止になりました。他の会でも、フロアが2つに別れ、これまで同じブースで働いていた先生方と離ればなれになってしまいました。このように、コロナが社会に与えた最も大きな弊害は、人と人との「分断」だと思います。直接会うなら距離を空ける、会わないなら画面越しでの会話となり、会の終了後の飲み会もなしです。本来、社会は人と人との関わりで成り立っているものなので、関わり方が変わった先には、どのような社会が待っているのでしょうか。

 外来も5月からオンライン診療を導入しました。直接会わなくても、画面を通して患者さんとお話し、問診の上、お薬を処方できるようになりました。初診から対応できますが、7日間の処方制限があります。長期処方については、主に状態の落ち着いた慢性疾患の患者さんが対象になります。ご興味のある方は、ホームページをご覧いただくか、事務までお問い合わせください。

 旅行や遠出もできずにつまらない思いをされている方も多いと思いますが、この機会に身近な知られざる発見されてはいかがでしょうか?最近の掲示板の写真は、全て近くの公園や川、湖で撮影したもので、実はこんなに美しい景色が身近にたくさんあることをありがたく思う昨今です。

 写真は、尻別川から見た羊蹄山です。河川敷に咲き乱れる菜の花との見事な競演でした。


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5月あいさつ(2020年)
 5月になり、山ではカタクリやエゾエンゴサク、福寿草などの春を告げる野草が次々と花開き、と同時にそこかしこで桜が満開となり街を明るく染めてくれています。しかし、それらを愛でる人達はまばらです。緊急事態宣言が発令されているからです。

 現在、多くの国民が健康面と経済面両方に大きな不安を抱いています。カビや虫がついたマスクが送られて来て更に気が滅入った方もいらっしゃることでしょう。テレビをつければ、悲観的な話題のオンパレードで、コロナ鬱やコロナ離婚などネガティブな雰囲気が蔓延しています。しかし、私は、敢えてこの時期に、希望的な観測を述べてみたいと思います。

 まずは医療についてです。現在コロナに有効であるとされている薬には、アビガンとオルベスコ、アクテムラ、イベルメクチン、レムデシビルなどがあります。このうちアビガンは富士フィルム、オルベスコはTEIJIN、アクテムラは中外製薬、イベルメクチンは科研製薬の薬で、いずれも日本の製薬会社です。つまり、政治が決断さえすれば、私達日本国民は真っ先にこれらの治療を受けることができるのです。このような国は日本だけで、大変恵まれた状況にあります。無策続きの日本ですが、遅ればせながらようやくアビガンの承認を求める声明をだしました。さらに、武田製薬は年内にも血漿療法剤をリリースする予定で、同じ頃にワクチンも完成すると言われています。希望は常にあるのです。

 経済については、命を守るという観点から、一人あたり10万円の支給は評価できます。ただし、命を守るには1回だけでは不十分で、治療と予防の目処がつくであろう、年末までの連続した支給が必要と考えます。つまり5月から12月までの8ヶ月間、1人80万円ですから全国民だと96兆円が必要です。これは一般会計の年度予算に相当する額です。しかし、そもそも毎年40-50兆円の赤字国債を頻発しているのですから、この緊急時においては国民を守る上で、非常識な額ではない筈です。私達は納税の義務を果たしている訳ですから、それに見合う権利を主張しても良いのではないでしょうか。

 集団的IQという言葉があります。日本には、素晴らしい人材がたくさんいます。ところが、集団になると、何故か愚かな選択をしてしまう。それは集団的IQが低いからです。愚かなライオンに率いられる賢い羊のようです。今回、女性宰相のいる国々は軒並み被害が少ない傾向にあるそうです。女性だから命を守る政策をした?私はそれだけではないと思っています。そもそも女性がリーダーになるには男性の2倍努力するか能力がないとなれないのだそうです。つまり2倍優秀なのです。彼女達こそ、賢く心やさしいライオンなのです。

 写真は、真駒内公園のカタクリです。春風にそよぐ美しい姿が印象的でした。


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4月あいさつ(2020年)
4月になり、クロッカスや福寿草などの春の妖精達が可憐な姿を見せてくれる季節になりました。例年ですと、公園や山々で自然を愛でながら春の到来を楽しむところですが、今年は様相が一変しております。

 新型コロナウィルスは、日本どころか世界中を変えてしまいました。中国から始まり、今や欧米では、たった1日で何百何千という人達が亡くなっています。日本でも、3月末に、お笑い界のレジェンドの志村けんさんを失いました。子供の頃に、毎週土曜日に「8時だよ全員集合!」を小躍りしながら楽しみにしていた世代としては、現実として受け止めるのが難しいほどです。その後も、著名人の感染が相次ぎ、全国的に病院でのクラスターが増えており、もはや誰が感染してもおかしくない状況となってしまいました。

 こうした状況に、各国のリーダー達はどのように対応したのでしょうか。大きく2つに分けられます。ひとつは、感染拡大を防ぐ方針をとった国です。早々と入国制限をしたり、都市封鎖ロックダウンを行ったり、PCRを積極的に行い、陽性者を隔離することで感染の拡大を防ぐ作戦です。こうした国は強制的に経済活動を止めますので、経済的な保障がセットで行われています。一方で、感染拡大は免れないとして、イギリスやブラジルなど集団免疫に舵をきった国もありました。しかしあまりの犠牲者の多さに、イギリスは早々に方針を改め、ロックダウンに切り替えました。しかし、そのどちらの方針もとらなかった国があります。それが我が日本です。感染拡大を阻止するわけでもなく、一方で集団免疫を狙うわけでもなく、ただ医療崩壊を防ぐという御旗のもと(本当の理由は諸説あります)に先進国では唯一、PCRを極端に抑制したのです。その結果、誰が感染者なのかわからず、隔離もできないまま現在の感染拡大を生んでしまいました。そして全国の病院で院内感染が多発し、感染者に接した多くの医療スタッフが待機期間のため戦線を離脱、残された医療スタッフにかかる負担は増すばかりで、結局は医療崩壊目前の状態となっております。経済を強制的に止めることはせず、要請はするが経済的保障はせず、PCRはしないで感染者数は多くないと主張し、かといって集団免疫という思い切った方向でもない、という状態は、生物学的な命の危険だけでなく、経済的な命の危険の両方に晒されているというのが、今の私達日本人の姿ではないでしょうか?

 動物園の猿山にはボスがいます。ボスは自分の利益のためだけに力を使います。一方で野生の猿の集団にはボスはいないといいます。しかし、その集団が危機にさらされたとき、初めて群れの中から忽然とリーダーが姿を見せ、そして身を挺して群れを守る行動にでるのだそうです。ここ数ヶ月の日本を含む世界各国の首脳を見て、誰がボスで誰がリーダーなのか、一目瞭然ではないでしょうか。

 ごう内科では、一般患者さんと風邪患者さんの導線を完全に分けており、一切接触することはありません。安心してご来院ください。

 写真は美瑛町で撮影した白鳥です。日本もこのような鮮やかな飛翔で復活したいですね。

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3月あいさつ(2020年)
 波乱の3月の幕が開けました。日本ばかりでなく、今や世界中が新型コロナ感染症のために、かつて経験したことのない苦難に直面しています。日本では特に北海道での感染者の増加が顕著で、2月28日に鈴木知事は非常事態宣言を行いました。これに続き、安倍首相は全国の小中高の学校の休校を発表し、3月2日から実施されています。これにより、子供を持つ親が出勤できなくなる事態が発生し、職場に影響が出始めています。また海外からのインバウンドが突然なくなることにより、観光業のダメージは深刻で、加えて外出の自粛要請のため、サービス業を中心に、あらゆる分野で経済活動の停滞が起きようとしています。

 私は、これまでの日本政府によるクルーズ船や水際対策などの防疫対応を見て、国は国民を本気で守る気がないということを、ある時点において確信し、呆然としました。コロナ感染者が継続的に入国できる状況を残しておきながら、しかも診断のために必要なPCRテストを行えない状況では、医者としてできることは限られているからです。3月6日からはPCRテストは保険適応となりましたが、限られた施設のみでの実施となり、依然として実質は重症者のみの対応が続くと見られます。ごう内科では漢方治療も行っておりますので、中国での漢方治療の文献などを参考にしながら、西洋医学と組合せながら、試行錯誤で治療にあたっております。反応は良好なのですが、そもそも診断がついていないので、治療効果を学術的に評価することができません。PCRができず診断ができない、ということは、何が有効な治療なのかを検証することができないということでもあるのです。加えて、重症化してからの診断、治療となるため、感染初期からの早期治療の研究や検証が全くできない状況にあります。これは早期発見早期治療の原則に反するものです。

 クルーズ船のダイヤモンドプリンセス号にDMATの一員として参加した神戸大学岩田教授の告発の中で非常に印象に残った言葉があります。「自分の安全を守れない人は、他人の安全も守れない」。中国からの国賓やオリンピック、国立感染研究所絡みの問題等々、政治的な配慮があるのはわかりますが、優先順位として、国民の命を第一に考えて欲しかった、というのが国民の総意ではないでしょうか。岩田教授の警告をひっくり返して考えると、国民の安全を守れない政府は、自分たちの安全も守れない、ということにもなるのではないでしょうか。1日も早い事態の収束を願わずにはいられません。

 ごう内科では、一般患者さんと風邪の患者さんの導線、待合、診察室、会計などを別にして同じ空間を共有することのないように対応しております。また持続換気を行い、環境消毒を日に複数回行い、さらに医師と看護師(感染対応1名)は、帽子、マスク、ゴーグル、防護服を身につけ、院内感染防止対策を講じております。その姿を見るなり、「この先生、ごう先生ですか?」と聞かれる方もいらっしゃいますが、替え玉ではないのでご安心ください。

 しばらくは、外出を控える日々が続き、ストレスがたまりますが、自宅でできる新しい趣味や楽しみを見つける良い機会と捉え、前向きに元気で過ごしましょう。

 写真は、西岡公園水源地の夕景です。自然はコロナに関係なくいつもの美しさを見せてくれます。


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