院長あいさつ

7月あいさつ(2016年)
 6月は当初の予想に反して雨と寒さが続きました。本来であれば6月は最も日照時間が長い月の筈ですが、私の自宅の太陽光パネルの発電量は例年のこの時期の半分にも達しておりませんでした。果たして7月は暑い夏が来るのでしょうか?

 今月は2人の偉大なスポーツ選手について触れたいと思います。一人目は6月3日に天国に旅立ったモハメド・アリ、言わずと知れたボクシング元ヘビー級チャンピオンのザ・グレーテストです。彼が活躍したのは私が子供の頃で、当時の記憶はあまりないのですが、ジョージ・フォアマンとの死闘を演じた「キンシャサの奇跡」の衝撃は当時脳裏に刻まれました。それまでは大男が足を止めて殴り合うのがヘビー級の常道でしたが、彼は早いフットワークとパンチで、まさに「蝶のように舞い、蜂のように刺す」という全く新しいスタイルを実践したのです。当時フォアマンは全盛期で、ベトナム戦争の兵役を拒否したモハメド・アリは約4年に及ぶ裁判で絶頂期を失った後の対戦で、誰もが戦前の不利を予想していましたが、フォアマンのハードパンチをしのぎきり、8Rに奇跡のKO勝利を飾ったのです。「ほら吹きクレイ」と言われるほど饒舌でしたが、人種差別反対、反戦の使徒であり、また詩人でもありました。ある試合の後、記者の「世界で一番短い詩を!」とのリクエストに彼はこう応えました。「Me、We(私、私達)」。私は、この詩が大好きで、ずっと座右の銘のようにしています。医療と介護、そして利用者さん、患者さん達との関係も「Me、We」でありたいと思うのです。偉大なチャンピオン、そして偉人の功績を称え、ご冥福を祈りたいと思います。

 そして2人目は、日本が誇る天才バッター、イチローです。6月についに日米通算4,257安打を達成し、ピーと・ローズの持つ記録を塗り替えました。しかし米国での評価は真っ二つで、特にピート・ローズからは否定的なコメントが寄せられイチローもがっかりしたようでしたが、最終的にはピート・ローズは大リーグ記録、イチローは世界記録という認識に落ち着いた様です。そしてイチローは、現在42歳にして、往年の全盛期のような復活を見せ、大リーグ通算3,000本安打にせまりつつあります。まさに天才、超人、仙人のような境地に達しているのではないでしょうか?今後の活躍から目が離せません。

 7月20日(水曜日)午後2時半から、クリニックロビーにてアフタヌーンコンサートを行います。今回は、NHK朝ドラの「マッサン」のメインタイトルを担当した野口さん、「花子とアン」の挿入歌を担当した小松崎さんの「野口★健withトシバウロン」をお招きして、アイリッシュ音楽を中心にお送りします。滅多にない機会ですので、ぜひお越し下さい!

写真は近年にわかに有名になった道東清里町の「神の子池」です。摩周湖の伏流水が源流とも言われていますが、池の一部だけがエメラルドブルーになっており、摩訶不思議、とても美しく神秘的な池でした。


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6月あいさつ(2016年)
 暑い5月から一転、6月は涼しく、遅咲き桜もすっかり散ってライラックと藤の花の紫が街を包んでおりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 先日、かねてから行ってみたかった襟裳岬の先にあるハートの形をした湖「豊似湖」に行ってきました。ここは石屋製菓の「白い恋人」のCMで有名になった湖です。今回は襟裳岬経由で行きましたが、思ったより遠く時間がかかってしまいました。豊似湖は舗装道路が終わってから細い砂利の山道を約8kmも入った山深いところにあり、着いたのは午後5時頃で、残念ながら湖は山の日陰になっていました。駐車場から湖までは200メートル歩かなくてはならず、いかにもヒグマがでそうな雰囲気だったので、湖まで行くことはあきらめました。豊似湖は最近有名になって、中国からの客がヘリコプターに乗って上空から観るツアーが人気だそうです。外国人だけが楽しむのは勿体ないので、皆さんも道東へいらっしゃる際は足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。但し、運転にもヒグマにも十分お気をつけください。

 5月末に伊勢志摩サミットが開かれ、その後、アメリカのオバマ大統領が被爆地広島を訪れました。唯一核兵器を使った国の最高責任者が、唯一の被爆国のその地を訪れたことは、両国にとって賛否両論がありましたが、「同じ過ちをくりかえさない」という想いを共有する機会だったと考えると、意味のあることだったと思います。一方で、オバマ大統領が「核のボタン」が入ったバッグを広島に持ち込んでいたことが批判されましたが、その核の傘で日本は守られているというどうしようもない現実も思い知らされました。

 今年は日本近海の海水温が異常に高く、これは各地で最高気温をマークした2010年と似ている分布だそうです。気象庁によると、今年は「異常に暑い夏」になる予想だそうで、そう考えるとこれまでの夏が今年は6月に来てしまうかもしれません。汗をかいたら脱水にならないようにこまめに水分補給をするなど、早くから熱中症に注意を払う必要があるかもしれませんね。北海道の気持ちのよい初夏をお元気にお過ごし下さい。


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5月あいさつ(2016年)
 5月になりました。今年の大型連休は最長で10連休だったようですが、皆さんはゆっくりとお過ごしになれたでしょうか?私は近場でカヌーやサイクリング、ドライブなどをして、北海道の美しい春の景色を観てきました。

 先月から現在まで、熊本で大きな地震が続き、テレビでは信じられないような被害の模様が連日報道されています。多くの方々が家を失い避難を余儀なくされ、また尊い人命も失われ、困難な日々が続いていると思います。謹んでお見舞いを申し上げ、1日でも早く安心して過ごせる日常が戻りますようお祈り致します。かの東北大震災から5年、当クリニックが開業したのはまさにその年でしたが、当時は国民全員の防災意識が上がり、私もエネルギーの重要性を認識し、太陽光パネルを設置し、バックアップ電源としての電気自動車を用意しました。自宅には井戸を掘ることも真剣に考えましたが、費用がかさむことがわかり断念しました。今回の地震でもやはり、電気、ガス、水道などのライフラインのダメージが大きく、市民の方々の生活は大変だったと思います。改めて、いざというときの備えの重要性を再認識しました。現地では、多くの医療機関や介護施設も被害を受け、ご病気の方や介護が必要な方々、そしてそのご家族の方々のご苦労は察するに余りあります。今回は、地震が少なく比較的安全と言われた熊本で地震が起きました。しかしそんな土地でもたくさんの活断層があったそうです。全国の活断層マップを眼にしましたが、石狩地方にもいくつかの活断層があるようです。最近では地震の予知はほぼ不可能、というのが結論のようですので、自分の住むところで大災害が起きた時に何ができるか、そして同じ国民が困った時に何ができるか、をこれまでの災害を教訓に考えたいと思います。

 4月は季節外れのB型インフルエンザ流行が猛威をふるいました。5月の連休後は、シラカバアレルギーなどの鼻炎や喘息、そして新しい環境の疲れからくる5月病の季節です。心身ともに無理をせず、ゆったりと過ごしましょう。

 写真は、由仁町の古山貯水池付近に群生していた福寿草です。春の陽を浴びて黄金色に輝いていました。

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4月あいさつ(2016年)
 4月になり新年度が始まりました。街から急速に雪の姿が消え、家々の花壇には、クロッカスなどの春の花が顔を覗かせ始めました。いよいよ待ちに待った春の到来です。

 先日用事で京都に行ってきました。3月は中旬あたりに暖気が続き、桜の開花が例年より2週間早いという予想があったため、京都の満開の桜を期待して行きましたが、残念ながらその後気温が下がり、1〜2分咲きでした。しかしそれでも一足早い桜と梅、そして木蓮などを楽しむことができました。時間がなく、ゆっくりお寺まわりはできませんでしたが、それでもたくさん写真をとってきましたので、掲示板で紹介したいと思います。その中で今回印象に残ったことが2つあります。
 
 1つは伏見稲荷神社です。ここは最近外国人が選ぶ京都で最も人気のある名所になっているそうです。朱色の鳥居が無数に立ち並ぶその回廊はなんともエキゾチックで、歩いていると異空間に吸い込まれそうな感覚にとらわれます。聞くところによると、平安時代から各時代の名士から神社に志納され続け、ついには神社の敷地にある山の山頂まで延々と続く長さになってしまったそうです。実は、札幌にも伏見神社という鳥居が並び立つ神社がありますが、なんとこの京都の伏見稲荷神社と関係があるそうです。私は高校時代ハンドボールをやっておりましたが、トレーニングで時々伏見神社の鳥居のアーチを駆け上ったものです。札幌と京都、不思議な縁があるものですね。

 2つめは、竹林の美しさです。今回は嵐山に行くことは出来ませんでしたが、青蓮院という最澄が建立したお寺の境内に立派な竹林があり、その美しさに息を飲みました。その勢いで、おみくじ発祥の寺とも言われるこの青蓮院でおみくじを引いたのですが、なんとそれが凶だったのです。このショックは計り知れず、しばらく境内の椅子に呆然と横たわっておりましたが、気を取り直して隣の八坂神社で再びおみくじを引いたところなんとか末吉が出て、心慰められました。しかしその後も心に引っかかるものがあり、家族に話したところ、娘に「今が凶ならこの先悪くないんじゃない?」と言われ、確かにそうだと合点がいきました。しかしその言葉は、前日に凶を引いた娘に私が言った言葉なのです。慰めというものは、自分でするのは難しく、やはり人からされる方が効くようです。

 風邪は大分へりつつありますが、B型インフルエンザがまだちらほら散見されます。発熱されている方は検査をお勧めします。また3月中旬から既にハンノキの花粉の飛散が確認されております。4月末になるとシラカバ花粉が本格化しますので、花粉症をお持ちの方は早めの治療をお勧めします。爽やかな北海道の春を楽しみましょう。


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3月あいさつ(2016年)
 3月になりました。今年は雪が少なく、このまま春が来るかと思いきや、連日の大雪で冬に逆戻り・・・かと思いきや雨と気温上昇で雪解けが進む、というめまぐるしい展開になっております。しかし、そろそろ雪かきから開放されそうなのは確かなようです。

 先日マレーシアで世界卓球がありました。日本は男女ともに決勝に進出、男子にとっては39年ぶり、そして男女ともに決勝に進んだのは41年ぶりだったそうです。39年前と言えば私がまだ小学校低学年の頃。当時の記憶では、確かに日本の卓球は世界トップレベルで、シングルスでも小野誠治氏が世界チャンピオンとして君臨していた時代で、子供心に誇らしく思ったものです。実際私もその頃卓球を始めています。当時の日本は卓球王国で、当時の繁栄が卓球人口の広がりを作ったのだと思われます。「温泉卓球」と言われるほど、日本人にとっては娯楽であり身近なスポーツになったのです。しかしその後、日本は世界の潮流から取り残され、長い低迷期に入ります。私も中学、そして大学と卓球部でしたが、ずっと「根暗なスポーツ」というイメージがあったと思います。ところが、今から15年前、ついにスターが現れたのです。それが「愛ちゃん」こと福原愛です。彼女は愛くるしいだけでなく、実力を兼ね備えていました。本場中国リーグの武者修行を経て、本大会では世界ランク4位で日本のキャプテンとして戦ったのです。日本卓球連盟も2000年あたりから卓球アカデミーを創設し、小学校から卓球エリートを育ててきました。その1期生が今回世界ランク6位で男子チームのキャプテンを務めた水谷隼です。今回出場した選手のほとんどはこうした日本卓球界挙げての強化プランの成果と言えるでしょう。テレビに映される、恐らく連盟の重鎮と思われる年配の方達が顔をくしゃくしゃにして選手に抱きつく様子を見て、彼らの長期に及ぶ苦労と実を結んだ喜びがひしひしと伝わり、感慨深いものがありました。日本を見事復活に導いた福原愛、水谷隼両選手と、彼らを支えた日本卓球連盟の方達を称えたいと思います。そして、私も下手くそながら中年卓球プレーヤーとして、その末席で応援し続けたいと思います。

 東京ではもう桜が咲いて、関東から桜前線が始まるようです。いまだインフルエンザの流行は続いており、多くの患者さんがいらっしゃっております。これからは花粉症などのアレルギー疾患も増えることと、気節の変わり目で体調が不安定になる時期です。睡眠と栄養をしっかりとり、体調を整えながら健やかに春を迎えましょう。

 写真は、支笏湖付近の七条大滝です。歩くスキーで2km程度でたどりつく隠れた名所です。


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2月あいさつ(2016年)
 2月になりさすがに気温が下がり、マイナス10度の日も見られるようになりました。しかし今年は記録的に雪が少なく、晴れた日には雪解けが進み春日和のように感じる時もあります。果たして今年の冬はこのまま終わってしまうのでしょうか。

 1月16日にごう内科が所属するみつば町内会の新年会に参加させていただきました。開業して以来毎年参加させていただき今回で4回目でした。本町内会は芸達者な方が多く、いつも日本舞踊や尺八や民謡、マジックやカラオケなどのパフォーマンスをみることができ、とても楽しい会です。かくいう私も調子に乗って、今回もハンマーダルシマーという古典楽器の演奏をさせていただきました。今年は音楽仲間のアコーディオン演奏家も同行し、アイリッシュ音楽を2曲演奏しましたが、知っている曲をやってくれという予想外のリクエストがあり、急遽ぶっつけ本番で演奏するというハプニングもありました。その後も歌謡曲のリクエストが相次ぎ、アコーディオン演奏家に丸投げしてしまいました。最後にアコーディオンの生演奏に合わせて皆さん一緒に「ふるさと」を大合唱し、大変盛り上がる新年会となり、みつば町内会の一員になることができて本当にうれしく思いました。町内会の皆様を始め、地域の方々と今年も一緒に楽しく健康に過ごして参りたいと思います。

 1月24日の日曜日に休日当番を行いましたが、大変な数のインフルエンザ患者さんがいらっしゃいました。今年はインフルエンザの流行が遅れていましたが、その日を境に一気に流行期に突入し現在進行形で続いています。感染者からは2メートル以上離れ、お互いにマスクをすると感染リスクをかなり減らすことができます。うがい、手洗い、加湿をしながら、暖かくお過ごし下さい。

 来る3月5日(土曜日)午後2時から、当クリニックロビーにて、第15回ごう内科アフタヌーンコンサートを行います。今回は札幌のオペラ団体「札幌オペラシンガース」からソプラノ歌手の小平明子さんとピアニストの松岡亜弥子さんをお招きし、本格的なオペラをお楽しみいただこうと思います。私もハンマーダルシマーで2曲ばかりご一緒させていただく予定です。ぜひお越しください!

 写真は十勝岳山頂を望む森の風景です。マイナス20度と極寒でしたが、吹上公園の公共露天風呂では旅人が裸でくつろいでおりました。

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1月あいさつ(2016年)
 新年あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。今年も、「医療と介護が連携し、地域の方々の健康と生活に貢献する」という使命のもと、職員一同頑張って参りますので、ご指導をよろしくお願い申し上げます。

 今年の年末年始は例年になく暖かいと同時に雪が少なく、雪かきの労から開放された方、逆に物足りない方、色々だと思いますが、お正月は皆様どのようにお過ごしになったでしょうか?私は、今年はどこにも行かず、家でいわゆる寝正月を過ごしました。おかげで筋力の低下と体重の増加をもたらしましたので、年明けからハードワークと歩くスキーで鍛え直したいと思います。

 昨年は中東での戦争、シリアの難民問題、欧米でのテロ事件、クリミア問題、南沙諸島問題などなど、国際紛争の火種がくすぶった年でした。なかなか平和が訪れないのは残念なことです。先日観に行った映画「スターウオーズ」を観たときにも感じました。私は小学5年の時から始まり第1作からずっと観ていますが、暗黒の帝国が支配する宇宙を正義の味方ジェダイを擁する共和国連合が戦って平和をもたらす・・・かに見えてまた帝国が甦る・・・この繰り返しなのです。そして戦っているのが親子や血縁同士だったり師匠と弟子だったりします。なかなか平和が続きません。人類というのは、昔からこうした善と悪(相対的ですが・・・)、陽と陰がせめぎ合って世界を作ってきました。漢方にも陰陽太極図というものがあります。これを見ると、全てが陽になることもないし、また全てが陰になることもありません。そして陽の中にも陰があり、陰の中にも陽があることになっています。つまり、どのような状況でも光明(陽)があるということなのです。各地の紛争や景気の停滞、医療介護社会保障の削減など色々難しい問題はありますが、今年は、こうした状況でも、いく筋もの光明が、たくさん私たちを照らしてくれることを祈って、そしてその光明をもたらす一助になれることを願って、新年のあいさつに代えさせていただきます。皆さんにとってよいお年となりますように。

 来る1月16日(土曜日)午後2時から、当クリニックロビーにて、第14回ごう内科アフタヌーンコンサートを行います。今回は「ロケット姉妹」をお招きし、ギターとアコーディオン、そして歌が奏でる、日本や世界の名曲を演奏していただく予定です。ぜひお越しください!

 写真は定山渓さっぽろ湖です。すっかり雪景色になりました。


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12月あいさつ(2015年)
今年は11月中に雪が降り、どうやらそのまま根雪になりそうな雰囲気です。急な寒さと雪は体に堪えますが、一方で私はこれまでで初めて、早くも11月に歩くスキーを楽しむことができました。雪は辛さをもたらす一方で、レジャーやクリスマス、正月など、楽しみも与えてくれます。

 先日、パリで悲惨なテロがあり、多くの方々が命を落とし、また大怪我を負いました。イスラム国の犯行でした。その後もロシアやアメリカ、イギリスでも相次いでテロが起きています。またロシアとトルコの軍事的な衝突、アジアでは中国の南シナ海への覇権拡大に関わり周辺国との関係が悪化しており、世界はますます暴力的な方向へと進んでいます。どうしたら解決するのでしょうか?パリの人々は神に祈りました。しかし祈ることでは決して解決しない、と言ったのは意外にもチベット仏教のダライ・ラマ14世でした。彼は「戦争を起こしたのは神ではなく人間達なのだから、神に祈っても何も解決しない。我々人間が解決しなければならない。」と言ったのです。この発言はチベットの置かれた状況を連想させる、非常に現実的な助言だと思います。私は戦後20数年後に生まれ、高校、大学と今から考えると非常に平和な時代を過ごしました。当時は、何の心配もなく海外旅行ができたし、それが当たり前だと思っていました。しかし今はそうではなくなりました。年末にあたり、そうした暗い世相を振り返ざるを得ませんが、新しい年に向かって、人間同士が人類の叡智を総動員して、物事を解決していけるよう望みたいと思います。

 気温が下がるとともに、風邪の患者さんが増えてきました。まだインフルエンザは流行しておりませんが、そろそろ注意が必要です。ワクチンは、感染の確率を減らすことができるのと、万が一感染して発症しても症状が軽く済みます。ワクチンがまだの方は、年内の接種をお勧めします。

写真は、初冬の美々川河口から見たウトナイ湖です。晴れ渡った空が美しく湖面に映っていました。


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11月あいさつ(2015年)
 11月になりました。札幌近郊は、すっかり紅葉が終わり、枯れ葉が舞う季節となりました。先日には初雪も降り、いよいよ冬支度をする時期を迎えました。

 先月は、ノーベル賞について述べましたが、今月はイグノーベル賞について触れたいと思います。イグノーベル賞というのは、想像もしないような、一度聞いたら忘れられないようなユニークな研究に対して贈られる賞のことです。選考委員は、ノーベル賞受賞経験者も含まれているそうです。そんなイグノーベル賞を2013年に受賞した帝京大学医学部准教授の新見正則先生の講演を聞く機会がありました。新見先生が受賞した研究は「心臓移植をしたマウスにオペラ椿姫を聴かせたら心臓が長持ちした」という突拍子もないものでした。椿姫では平均40日、モーツアルトでは20日、歌手のエンヤでは10日、何も聴かせないと8日という驚くべき結果でした。一般の方からすると、大学の先生がこんなことをまじめにやっているのかと意外に思われるかもしれませんが、新見先生は実に細かい地道な作業を積み上げてこうした成果を上げられました。なにしろ、小さなマウスの心臓移植を何十例行うだけでも大変な技術です。もちろん新見先生の研究はこれだけではなく、血管外科、移植免疫学、スポーツ医学から漢方医学まで広い範囲に及びます。その新見先生が仰った中で、印象に残る言葉がありました。それは「些細なことでも、積み上げれば奇跡が起きる」という言葉です。新見先生は、その奇跡の例として、先のラグビーワールドカップの日本代表の快進撃を挙げました。体の小さな日本人がワールドカップで勝利するのは不可能と思われていましたが、低いタックル(これは危険で勇気のいることだそうです)の反復練習と日本人の長所の俊敏性と組織力の鍛錬を積み重ねた結果、W杯初の3勝という奇跡を産んだというものでした。そして、新見先生はこうも仰いました。「病気の治療にも些細な積み重ねが大切」だと。病気の治療は、医者と患者さんの共同作業です。私も、患者さんと一緒に、些細な事でも積み重ねて、良い結果につながるようにして行きたいと思います。

 インフルエンザワクチンの接種を始めています。年末年始にかけて流行が予想されますので、年内にワクチンを接種することをお勧めします。これからはますます寒くなって参りますので、暖かくして風邪を引かないよう、お気をつけ下さい。

写真は、三重県朝熊山展望台から見た伊勢湾の諸島群です。


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10月あいさつ(2015年)
今年は残暑がなく、東京でさえ真夏日、熱帯夜ともに例年に比べ、それぞれ2週間、3週間も短かったそうです。残暑があるとうっとうしい気もしますが、なければないであっと言う間に秋が来てしまい寂しい気もします。

 ちまたでは相次ぐ日本人のノーベル賞受賞に湧いております。今回、何よりも驚いたのが、私の母校である北里大学から大村智名誉教授が医学・生理学賞を受賞したことです。私が受賞した訳ではないのですが、北里大学の末席を汚すものとして、今回ばかりは喜びのかけらを享受させていただいております。本当におめでとうございます。

 そんな北里大学から、当時の同級生、仙台からA君と横浜からB君が遊びに来ました。今回はB君の希望で、3人で利尻富士に登ることになりました。利尻富士は北海道の最高峰で、高低差が約1500メートルと羊蹄山とほぼ同じというややハードルの高い山です。私とA君は登山初経験であまり乗り気ではなかったのですが、これも思い出と思い、頑張って登ることにしました。彼らと私は、学生時代は色々無茶なことをした仲間ですが、さすがに50歳前後になってまでも無理はしないだろうと思っていました。A君は巨漢で、登るペースが遅めでした。なので、8合目くらいで断念かなと考えていましたが、8合目まで来たら山頂まで行きたいということになり、最終グループと一緒に山頂まで到達しました。山頂に着くと、あまりのうれしさにはしゃいでいるうちに、長く滞在してしまい、これまた最後尾で下山を始めました。ところが、A君は登りで膝を痛めていたことが発覚し、牛歩の如く歩みで一向に進みません。置いていくわけにもいかず、5合目を過ぎたところで日没間近となりました。海の向こうには、美しい夕暮れに浮かぶ礼文島が見えました。私はヘッドライトを持っていなかったので、意を決し、ヘッドライトを持っていたA君を残し、猛然とゴール目指して走りました。既に10時間近く歩いていたため、体のあちこちに痛みを感じましたが、人間追い詰められるとなんとなるもので、次第に何も感じなくなりました。3合目を過ぎたところで、先に行っていたB君を追い越し、そしてなんとかゴールの1合目に達しました。あたりはもう真っ暗になっていました。近くのキャンパーに事情を説明し、親切な方からヘッドライトを借りて、再びA君を救出するために走って戻りました。そして2合目付近でA君を発見し、2人とも無事に下山しました。登山は登りよりも下りが危険とはよく聞きますが、本当でした。そして、卒業から25年近く経っても、懲りない仲間の姿を目の当たりにし、同じ北里大学でも色々だなあ、と今回のノーベル賞受賞を、より感慨深く見つめておりました。私は初登山で12合目まで往復した計算となり、そのうち1/3は走っていたことになります。利尻富士を余すところなく堪能することができました。
 
 秋も深まり、栄通の銀杏並木も美しく色づいてきました。気温が下がり、風邪を引きやすい時期ですが、体を暖かく、保湿しながらお元気でお過ごしください。今月末から11月にかけて、インフルエンザワクチンの接種を開始しますので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

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