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院長あいさつ

11月あいさつ(2022年)
 気がつくともう11月、すっかり日が短くなり、札幌の日没は午後4時15分くらいになってしまいました。1年で最も日が短い冬至まであと1ヶ月半、紅葉もほぼ終わりを迎え、間もなく白い妖精が舞い降りるでしょう。

 今年はコロナがパンデミックとなって3年目、世界中でコロナワクチンが接種され、いよいよ明るい未来が見え始めたと思ったら、まさかのロシアによるウクライナ侵攻が勃発。コロナで四苦八苦しているところに、新たにエネルギー問題と食糧問題が加わりました。物価は欧米では10%近く、デフレの日本でさえ2-3%上昇しました。イギリスでは電気料金がなんと昨年の4倍に跳ね上がったという記事を見て、驚きと同情を禁じ得ませんでしたが、つい最近我が家にも電気料金改定の知らせが届き、2倍になっているのを見て目の玉が飛び出ました。こうしたエネルギーの高騰はしばらく続くものと思われ、日本ばかりでなく、世界中の人たちが寒い冬を前に不安な思いでいるに違いありません。地球には、未だ石油や天然ガスなどの化石燃料は十分に埋蔵されており、加えて太陽光や風力発電などの技術もあります。奪い合うからこそ足りなくなるのであり、歴史的にも紛争の原因であり続けています。残念ながら、人類は未だに野蛮で、お互いに分け合い、助け合いながら平和な世界を築ける精神レベルにないようです。

 政治、経済ともに見通しが暗い時代ですが、人生はそればかりではありません。ファイターズやコンサドーレ、レバンガの活躍に心躍らせ、毎朝大谷翔平選手の朗報に喜び、ゴルフ女子プロ選手のメジャー制覇に感動したり、もしくはご自身の趣味に没頭し楽しんでおられる多くの患者さんを知っています。文化、芸術は政治経済とは別物であり、歴史を通してより普遍的に残るものです。そういったものに触れながら、明るい年越しをしたいものです。

 インフルエンザワクチン接種がピークを迎えております。12月末まで接種を行いますので、まだお済みでない方は受付までご相談ください。コロナワクチンは1月以降に予定しておりますが、準備が整い次第ご案内いたします。コロナ感染は拡大しておりますが、幸いにも軽症で治る方がほとんどです。恐れすぎずに、これまで通りの感染対策をしながら、暖かくしてお元気にお過ごしください。

 写真は洞爺湖の朝陽と紅葉です。早朝の洞爺湖は水面が鏡のように美しく、鳥の囀りが耳を楽しませてくれました。


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10月あいさつ(2022年)
 10月になりました。コスモスも盛りを過ぎ、ついに花の季節は終わりを迎え、いよいよ美しい紅葉のシーズンになってきました。気温も一気に一桁台まで落ち、夜はストーブ、外出時はコートが必要になってきましたね。

 皆さんご存じの通り、私はカヌーをするので毎週のように川や湖に出かけて写真を撮っております。昨年、友人に連れられて初めて北海道の海でカヤックを体験し、その魅力に嵌ってしまいました。中でも、院内で写真を紹介しておりますが、積丹の海の美しさは筆舌に尽くしがたいものであり、ハワイや沖縄でカヤックをした経験がありますが、そうした観光地と比べても同等、もしくはそれ以上の美しさだと感じました。特に積丹岬の入り組んだ奇岩の入江は、まさに積丹ブルーが続く碧の海廊の如しで、天国かと思うような光景でした。しかし、海は川や湖と違い、スケールが大きく、一旦天候が変わると、即命の危険につながります。ですので、より周到な準備と慎重さが求められます。先日はちょっとだけ風のある日に行きましたが、想像以上の波とうねりがあり、岬でのカヤックは断念。余市あたりは波が小さかったので、ローソク岩上陸を目指し漕ぎ出しました。しかし漕ぎ出すと、波は小さいものの、うねりが1-2メートルあり途中で恐くなって引き返しました。自然に身を委ねると、天国を感じることもある一方で、地獄の入口を感じることもあります。人間のちっぽけさを思い知る瞬間であり、喜びと無情は同じ場所にあるのではないかと感じたりもしました。

 先日、早朝に北朝鮮からのミサイルが東北上空を飛び、けたたましいアラートで驚いた方も多いと思います。患者さんの中には、「いやー、今朝の地震はこわかったねぇ」とおっしゃった方もいらっしゃいましたが、本当に恐いのは自然よりも人間の方かもしれません。同じ地球という場所に住んでいるのですから、願わくば、核戦争などの悪夢よりも、桃源郷のような世の中になって欲しいものです。

 10月12日からインフルエンザワクチンの接種を開始致します。当クリニックに受診歴のある方の全員分を確保しております。ご予約は電話もしくは受診時にお願い致します。いよいよウィズコロナの時代になり、マスク規制も緩和されつつあります。美しい紅葉を楽しみながら、健やかにお過ごしください。


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9月あいさつ(2022年)
 9月になりました。夏の終わりを迎え、紫陽花が姿を消し、芙蓉の花も盛りを過ぎ、コスモスの季節となりました。暑かった夏も終わり、再び過ごしやすい北海道の初秋がやってきました。

 世界ではインフレが止まらず、アメリカでは7〜8%、デフレの日本ですら2〜3%の物価高となっています。先日、物の高さに驚いたことが2つありました。1つは積丹の美国でのことです。本州から来た友人とウニ丼を食べに行ったのですが、その値段を見て度肝を抜かれました。数年前まではバフンウニだと7000円程度だと記憶し、それでも十分高いと思いましたが、今回はなんと1万5000円という信じがたい値段になっていました。安い方のムラサキウニを友人に奢ってもらい事なきを得ましたが、もはやウニ丼は高値も高値、はるか高嶺の花になってしまいました。
 
 2つめはニセコに行ったときの事です。コロナ前のニセコは外国の富裕層が大挙して押し寄せ、不動産を始めレストランなど物価が軒並み上がっておりました。しかし現在は閑散としており、物価も下がっていると聞いたため、新しくできた外資系ホテルのラウンジで軽食をいただきに行きました。入るなり、ステージ上ではウッドベースとフルートの生演奏、そしてウエイトレスは外国人で英語のみの対応でした。ちょっと嫌な予感がしましたが、ラウンジなので大丈夫だろうと、フィッシュアンドチップスとラザニア、デザートと飲み物を頼みました。会計ではそれなりに覚悟していたのですが、予想の2倍の価格を告げられ、衝撃を受けました。

 アメリカでは給料も上がっているようですが、それ以上に物価が上がり生活苦を訴える人が増えているそうです。加えて人手不足が深刻で、時給4000円でも働き手が見つからない業種もあるそうで、今や世界はかつてない経済環境に置かれているようです。できることは限られていますが、とりあえず、ニセコのホテルと積丹にウニ丼を食べに行くときは、奢ってくれそうな友人を探して行こうと思います。

 コロナの第7波が長く続いております。幸いにも重症化率は低いままで、政府は、海外からの入国制限の緩和、陽性者の全数把握の中止などが検討、実施され、いよいよウィズコロナ社会に向かって進んでおります。引き続き感染対策を続けていただき、もし風邪症状がある場合は、かかりつけ患者さんであればPCR検査ができますので、いつでもご相談ください。

 写真は厚岸町付近の別寒辺牛川の夕景です。広大な湿原の中にあり、カヌー下りをしながら太古の自然を楽しめます。


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| | 11:56 AM | comments (x) | trackback (x) |
8月あいさつ(2022年)
 真夏の8月になりました。ラベンダーもピークを過ぎ、街は紫陽花で彩られています。お盆を控え、夏本番の筈なのですが、今年は意外にも過ごしやすい日が続いております。北海道の夏は7月初旬で終わってしまったのでしょうか?

 夏といえば、私にとってはカヌーシーズン本番なのですが、特に川でカヌーをする時に注意することがいくつかあります。それは危険な場所には一人では行かない、転覆した時のセルフレスキューの習得維持、などが挙げられます。ところが、最近はもう一つのリスクマネジメントが増えました。それは「ヒグマ」です。皆さんご承知の通り、昨今は札幌の至る所で頻繁にヒグマが目撃されています。つい先日は、高速道路にも親子熊が現れて騒ぎになりました。中でも、私が住む南区はヒグマのメッカで、ほぼ連日のようにヒグマが出没しています。もはや近所の公園を散歩する時も警戒しなくてはなりません。ですので、定山渓でカヌーをする時は、より細心の注意と準備が必要となります。クマ避けの鈴は3つ持ち、かつ大音量の電子ブザーを時折鳴らしてクマに自分の存在を知らせます。それでも最悪、出会ってしまったらどうすればよいのでしょうか?

 一般的には背中を向けずに、対峙しながらゆっくりと後ずさりする、とあります。しかしそれでも向かってきたらどうすればよいでしょうか?などということを真剣に考えるようになり、高価なのでずっと迷っていたクマ避けのスプレーをついに購入しました。これで気持ちが幾分楽になったのですが、それでも格闘になったらどうすれば良いのでしょうか?身近にまたぎの子供として熊肉を食べながら育った方がいるので聞いてみたところ、彼は自信満々にこのように教えてくれました。まずは熊の懐に入ること、それにより2つの良いことがあるそうです。一つは、懐に入ってしまうと熊の腕の可動域の問題で意外と安全らしいこと、もう一つは接近すると熊の急所を攻撃できること、だそうです。しかし、接近した時に熊に頭をかじられることはないのか、という素朴な疑問が浮かんだため聞いてみると、こうした答えが返ってきました。「かじられるかもね」。

 コロナ禍も第7波を迎え、感染者数が史上最高になっております。一方で、重症化率や死亡率は低下しており、徐々に毒性は弱まってきているようです。これまで通り3密を避けて、うがい、手洗い、手の消毒を続け、クマにも気を付けながら、北海道の爽やかな夏を楽しみましょう。

 写真は、鮮やかな積丹ブルーの海です。少し沖合を泳いでいるカップルがいて、とても気持ちよさそうでした。


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7月あいさつ(2022年)
 7月になりました。先日支笏湖に注ぐ美笛川をカヌーで遡上したところ、河原一面にルピナスの大群生があり、大変綺麗でした。そのルピナスもピークを終え、いよいよ北海道の夏の真打ち、ラベンダーが登場します。富良野に行かなくても南沢のラベンダー発祥の地や東海大学札幌キャンパスに立派なラベンダー畑がありますので、ご興味のある方は訪れてみてはいかがでしょうか。

 7月に入り、世界的に食料品や燃料の値上げが続いています。加えて円安が進行し、物価のさらなる上昇が心配されます。レギュラーガソリンはリッター160円を超え、政府の補助がなければ既に200円を超えているところです。いずれもロシアによるウクライナ侵攻に端を発したものですが、世界はロシアとの我慢比べの様相を呈しています。イギリスでは、ジョンソン首相がウクライナへの軍事支援を積極的に行なってきましたが、物価高に対する経済対策への不満が重なり辞職に追い込まれました。ウクライナを支援することは重要ですが、遅かれ早かれ、日本を含む西側諸国もイギリス国民と同じジレンマを抱えることになりそうです。

 そんな中、大変ショッキングな事件が起きてしまいました。安倍晋三元首相が銃撃により亡くなられました。多くの人は耳を疑ったに違いありません。政治家ですから功罪はあると思いますが、ほとんどの国民は何かしらの喪失感を感じたのではないでしょうか。日本の政治家が凶弾に倒れたのは、昭和初期の5・15事件や2・26事件、昭和35年の社会党の浅沼党首などが思い起こされますが、まさか現代日本で銃による暗殺事件が起こるとは思いもよりませんでした。安倍元首相は、海外首脳や要人とのつながりが深く、今後も日本のために働く機会があったに違いありません。ご冥福をお祈り致します。

 コロナの第6波が終わり、日本を含む各国の渡航制限は緩和され、飲食や旅行への機運が高まっていました。ところが最近再び感染者数の増加が続き、実に第7波が到来したと言われています。諸外国は、重症化率が低くなったことより、感染拡大に対しても緩和措置を継続の構えです。今後の日本の選択が注目されます。

4回目のワクチンの予約を開始しております。今回対象となる60歳以上の方や基礎疾患のある方で、当クリニックにかかりつけの患者さん全員分のワクチンをご用意しております。ご希望の方は受付までご連絡ください。暑く長い夏になりそうですが、熱中症や夏バテに注意しながら健やかにお過ごしください。

 写真は、中富良野のファーム富田のラベンダー畑です。


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6月あいさつ(2022年)
 ライラックと藤の花が満開となり、季節は百花繚乱の春から初夏に移りかわろうとしています。やっと豪雪から解放されたと思ったら、早くも夏至ですね。「6月の日暮はお金持ちの親戚」に例えられるように、なかなか暮れそうで暮れないなどと言われ、日照が最も長い季節です。1年で最も爽やかな季節ですので、外の景色を楽しみながら楽しく過ごしたいですね。

 5月末に日本東洋医学会の全国大会が札幌で開催されました。私は準備委員の1人として、初学者への教育講演など、少しだけ関わらせていただきました。折しもコロナ禍により前年に続きほとんどの発表がオンラインになってしまいました。しかしいくつかの招待公演は人数限定で開催され、会場で脳科学者の茂木健一郎さんの講演を聞くことができました。茂木さんは脳科学だけでなく、もともと物理学を修了されており、多くの示唆に富んだお話をされました。なかでも、EBM(根拠に基づく医療)は必要だ、としながらも、あらゆる事象には多くの変数(パラメーター)があり、たった1つの根拠に依存するという考え方はいささか単純すぎないか、という問いかけをされました。物理学では、アメリカで起きた竜巻の始まりは、アマゾンの蝶の羽ばたきから始まっているかもしれない、という仮説を大真面目に議論するそうです。その後、様々な変数(パラメーター)の影響を受けたのちに、アメリカで巨大な竜巻に成長する、というのです。これは大変な複雑系の話となり、世界最高峰のスーパーコンピューターを持ってしても正確に計算することは不可能でしょう。なぜなら、現代の科学では解明できない、多くの事柄が関与しているに違いないからです。茂木さんは、これを「暗闇に落とした鍵」と表現されました。明るいところに落とした鍵は容易に見つけることができますが、暗闇に落とした鍵はなかなか見付けることはできません。現代科学は、既に解明されている根拠を元に証明している、つまり明るいところに落とした鍵を拾っているに過ぎない。だからそれは大した知性ではない、というのです。

 私は、これを聞いて、漢方医学の役割についてはっきりと自覚することができました。漢方医学は、科学ではなく、経験に基づいた経験医学です。よって科学的な根拠を見つけることはできませんが、人間全体を見た上で、正常からどちらの方向にどれだけ偏っているか、を見つけることで病気を治癒に導くことができます。つまり暗闇の中でおおよその方向と距離がわかり、鍵を拾うことができるのです。現代医学は、診断がつかなかったり、診断がついても難病で治療法がなかったり、多くの科をまたがるような複雑な症状の治療が苦手です。漢方医学は、このような時に大きな助けになります。私は、これからも、暗闇に落とした鍵を毎日探したいと思います。

 写真は、滝野すずらん公園のチューリップです。小人の目線で撮ると、チューリップの森のようですね。


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5月あいさつ(2022年)
 5月に入り、美しく咲き誇っていた桜もそろそろピークを過ぎようとしております。野草では、カタクリ、エンゴサク、福寿草はそろそろ姿を消し、これからはエンレイソウ、ヒトリシズカ、シラネアオイへのバトンタッチが楽しみです。

 日米で野球シーズンが始まり、北海道ではビッグボス日本ハムの活躍が期待されましたが、現実は厳しく、早くも自力優勝が消滅してしまいました。あまり無様な負けが込むと残念ですが、ビッグボスシーズン1なので、長い目で応援して、来年の新球場こけらおとしとともに勢いづく姿に期待したいと思います。
 アメリカメジャーリーグでは、ついに大谷選手が爆発し、ホームラン量産体制に入りそうな雰囲気です。ピッチングでも完全試合をするような勢いで、三振の山を築いています。また打者では筒香選手や今年から参戦した鈴木誠也選手がホームランを量産し、日本選手の活躍が当たり前のようになってきました。20年くらい前に、札幌ドームでメジャーリーグ代表対日本代表の親善試合を見に行ったことがありますが、その時は、日本の打者の打球が、ホームランどころか内野を越えるのがやっとだったことを思い出し、日本野球の進歩を実感する昨今です。

 暗い世相が続いています。ロシアの侵略は3ヶ月を超え、未だ出口が見えません。ウクライナで起こっているひどいニュースを見る度に心を痛めている人も多いと思います。一方で世界経済はインフレ基調となり、エネルギー関連を中心に物価が上昇しています。加えて急激な円安で、今後は輸入品を中心に更なる物価の上昇に直面するかもしれません。気持ちの暗くなることが続きますが、そんな時こそ、身近の美しい自然や音楽、そしてワクワクや希望を感じさせてくれるスポーツなどの文化に触れて大切にして行きたいですね。

 3回目のコロナワクチン接種はほとんどの方が終了されました。政府は4回目の接種を準備しており、時期がきたらまた案内させていただきます。コロナ規制も徐々に緩和され、一部海外旅行も始まりました。なつかしい日常がすぐそこまで戻っていることを感じつつ、北海道のさわやかな初夏を楽しみましょう。
 
 写真は、桜香る豊平館(中島公園)です。

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4月あいさつ(2022年)
4月になりました。あれほどあった雪山が嘘のように片付けられて、車の運転も快適そのものになりました。日差しも暖かくなり、ウキウキした気持ちで散歩や外出を楽しんでおられている方も多いのではないでしょうか。

 今年は流氷を見る機会が2度ありました。最初は厳冬真っ只中の2月で、海岸は水平線までびっしりと流氷で埋め尽くされていました。砂浜に打ち上げられた流氷に乗りながら流氷ウォークを楽しみました。途中、遠くにスルスルと動く影があり、よく見るとアザラシのようでした。とっさにカメラを取り出しましたが、野生動物の動きについてゆけず、残念ながら撮影することは叶いませんでした。流氷が水平線までつながっていると、あたかもただの雪原のように見えて、なんだかつまらないようにも感じました。そこで2回目は3月末に行って、大海原に浮かぶバラバラになった、これぞ流氷!という様を狙いに行きました。ところが、海岸に降り立つと、既にその姿はほとんどなくなり、海岸線にわずかに残っているのみでした。呆然と、残っていた流氷を眺めていると、流氷から融けた雫が砂浜に無数の小さなクレーターを作っているのに気がつきました。なんとも不思議な光景で、落ちゆく雫を見ながら、はるかアムール川から来た氷が、こうして知床の砂浜に雫となってオホーツクの海に恵みをもたらすのだな、と大いなる自然のダイナミズムを感じていました。大自然は、国境もなく、利害や策略もなく、生きとし生けるもの全てに等しく恵みをもたらしてくれています。ところが、地球にはその恵みを巡って、21世紀になってもまだ争い続ける存在がいるのです。

 こういった話があります。ある人が2つの部屋の前に案内され、好きな方を選んで良いと言われました。入り口にそれぞれ「天国」そして「地獄」と書かれています。天国の部屋には粗末な食事を囲んでいる人たちがいて、地獄の部屋には食べきれないほどのご馳走で埋め尽くされた食卓を囲んでいる人たちがいました。迷わずご馳走のある部屋に入ろうとしましたが、ほどなくそのご馳走を巡って見るに堪えない争いが始まりました。その人は仕方なく、わずかな食事しかない部屋も覗いて見ることにしました。すると人々は、少ない粗末な料理を分けあいながら、仲睦まじく笑顔で食卓を囲んでいたのです。
 
 さて、私たちはどちらの部屋に住んでいるのでしょうか?そして、これから私たちはどちらの部屋に住みたいのでしょうか?ウクライナで起きていることは悲劇に他なりませんが、避難民を受け入れている周辺国の人たちの献身的な姿が、道標のような気がしています。

 4月に医療制度改定があり、マイナンバーカードを使ったオンライン資格確認や、オンライン診療などに係る変更がありました。IT化が遅れていると言われる日本ですが、政府は何故か医療に関しては積極的のようです。ご不明な点がありましたらお気軽にスタッフまでお問い合わせ下さい。


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3月あいさつ(2022年)
 3月になりました。今年は例年にないほどの大雪で、除雪が大変な年でした。道路脇には未だ大きな雪山が残され、路面も凸凹で車の往来に支障を来しています。先日の大雪ではみつば町内会の住宅街が雪で埋め尽くされ、車走行が不能となり徒歩で往診に行きました。こんなことは、私が往診を始めて20年来初めてのことです。もう大雪のおかわりはご勘弁いただき、そろそろ春の息吹を感じたいところです。

オリンピックが終わりパラリンピックが始まっています。オリパラは本来は平和の祭典であって、せめて開催期間中は戦争を避けようというのが人類の智恵でした。ところが、ソチ五輪の後にクリミア侵攻、今回はオリンピック終了後にウクライナ侵攻、パラリンピック開催中にも続いています。まるでオリンピックが戦争の号砲になっているかのようです。

 オリパラの、選手の歓喜の笑顔とウクライナの人々の悲嘆にくれる顔を見て、知人で絵本作家の、たさきあやこさんの『にんげんのお花』を思い出しました。本の中で、子供が野菜が実を付ける前に咲かせる色々な花を見て驚いたり不思議に思ったりします。そして、ふとお母さんに「ねえ、にんげんのお花ってなに?」と聞きます。お母さんはしばらく考えてから「笑顔だと思うな」と応えて、2人で笑顔のお花を咲かせるという物語です。私はこの絵本を読んで、なんて素敵なお話しなんだろうと思いました。そして、オリパラで輝くたくさんのお花達を見て感動していました。ところが、ほぼ同じ時期のウクライナでは、幼い子供が亡くなり悲嘆にくれる母親や、砲撃で崩れかけた大きな高架の下で避難する無数の人の顔、顔、顔・・・同じ人間としても、医療者としても、見ていて胸が張り裂けそうです。

 花を咲かせるには、土を耕し、肥料を与え、太陽の光と水が必要です。しかし人間に対しては、さらに愛が必要となるでしょう。長い年月を必要とされるかもしれませんが、いつかウクライナでも、再び「にんげんのお花」が沢山咲くことを願わずにはいられません。

ごう内科では、これまでも皆様の善意を、難民への募金として国連UNHCR協会へ届けて参りました。現在150万人を超えるウクライナの人達が、難民として隣国のポーランドなどで避難生活を送っております。ひとりでも多くの人に、暖かい食べ物と毛布を送り届け、少しでも笑顔になっていただくために、引き続き皆様の愛を届けていきたいと思います。

 春はすぐそこに来ています。コロナ、自然災害、戦争と災難が続きますが、明けない夜はなく、終わらない冬もありません。引き続き、風邪に気を付けながら、近づく春を楽しみにしながら、健やかにお過ごし下さい。

 写真は、支笏湖丸駒温泉近くの森にいたエゾシカの親子です。


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2月あいさつ(2022年)
 豪雪の2月です。1月から除雪・排雪が問題となっておりましたが、先日のどか雪が深刻な影響をもたらしています。札幌発着のJRは全便運休が続き、バスも大幅な遅延、マイカーでの移動は普段の何倍もの時間がかかる状態で、札幌の都市機能はまさに麻痺状態です。

 そんな中、北京で冬季オリンピックが始まりました。連日、日本選手の活躍が報道されています。メダリスト第1号はスノーボードの堀島行真選手の銅メダルでした。そしてスピードスケート1500mの高木美帆選手、フィギュアスケート団体の銅メダル、更には男子ジャンプの小林陵侑選手は金メダルに輝きました。いずれも素晴らしい結果なのですが、選手によって喜びと悔しさの度合いが違うのが目を引きました。高木美帆選手は前回大会に引き続き銀メダルを獲得しながらも悔しさを隠しませんでした。しかし、直後のインタビューで「自分の力が足りなかったということ」と述べました。極限まで努力して最大限の力を発揮し、それでも届かなかったという悔しさの一方、優勝者を称える納得感が入り交じった、究極の言葉なのだと感じました。一方で不運に見舞われた選手もいます。スキージャンプの男女混合でのこと、高梨沙羅選手を含む実に5名の選手が失格となりました。世界の一流選手でも避けられないルール違反自体に問題があるような気もしますが、オリンピックで試練が続く高梨選手の心情は察するに余りあります。しかし、彼女は男女通じてW杯史上最多優勝記録を誇るレジェンドであり、もはやオリンピックメダル云々のレベルではないような気がします。ひたむきに頑張る姿勢に尊敬と賛辞を送りたいと思います。

 雪だけでなく、オミクロンが猛威を振るっています。幸いにも重症化率や死亡率はこれまでよりかなり低く推移しておりますが、感染力が強いため感染者数の増加を止められていません。司令塔である保健所の能力を超えたため、若い人や職場での感染は各自が行う事態になっています。ごう内科では、通常診療のほか、電話診療、オンライン診療を用いながら風邪診療に対応しておりますので、ご心配な方はどうぞご利用ください。

 写真は、冬の洞爺湖です。湖面に映る空と雲の美しさにしばし見とれてしまいました。


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