院長あいさつ

7月あいさつ(2024年)
 7月になりました。白石区の区の花であるバラは満開を迎え、美しい姿と香りで楽しませてくれました。札幌でもいよいよ30度超えの真夏日を迎えようとしております。今後はラベンダーが満開となり、北海道らしい夏の景色を楽しむことができるでしょう。

 パリ五輪まであと3週間程度となりました。各種目で続々と代表が決まっております。柔道と体操は日本のお家芸と言われ久しいですが、今回復活の兆しを見せているのはバレーボールです。東京オリンピックでは、男子は7位、女子は10位に沈み、自国開催にもかかわらず惨敗でした。女子はかつて「東洋の魔女」と言われるほど強く、私の少年時代には、江上と三屋を中心に安定した強さを誇っておりました。男子で忘れられないのは、身長は小さいにもかかわらず「天井サーブ」で高身長の欧米列強を狼狽させる猫田の姿に熱狂したのを覚えています。しかしその後外国のチームも日本バレーを学習し、スピードと守備だけで勝つことはできなくなり、低身長の日本チームは長い間低迷しておりました。
 ところが気がつくと男子バレーはなんと世界ランク2位まで順位を上げ、女子は先のネーションズリーグで5位の好成績を収めました。いずれもメダルを狙える位置にいます。それとテレビを観戦して気がついたことが、以前のアイドルによる画一的で扇動的な応援はなくなり、本当のバレーファンによる自然発生的な応援が逆に新鮮で好感を持てました。
 バレーボール以外にも、私も続けている卓球も注目しております。男子はエース張本以外にも戸上という新星が登場し、メダルはわかりませんが良い戦いが期待できそうです。女子は黄金時代を迎え、早田、平野に続き新星張本妹が選ばれ、過去最強の布陣でメダルを狙います。できることならパリまで行って応援したいところですが、この円安でそれも叶いません。テレビに張り付いて応援したいと思います。

 本州ではすでに熱中症が多発していると報道されております。30度を超える真夏日には、水分を多めにとり、涼しい場所で過ごしましょう。特に高齢者の方は、暑い中でも着込んでいる方が多く、より注意が必要です。立ちくらみ、倦怠感、吐き気がある場合は、早めに受診してください。
 北海道の短い夏を楽しくお過ごしください。

 写真は大沼国定公園です。木の間から駒ヶ岳が見えます。


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6月あいさつ(2024年)
 6月になりました。森の緑もすっかり濃くなり、バラもちらほら咲き始めていよいよ初夏の雰囲気がただよってきました。暦の上では6月21日の夏至に向けてますます日が長くなり、北海道の一番すごしやすい季節になりますね。
 
 エスコンフィールドがオープンしてから1年ちょっと経ちますが、先日初めて試合観戦に行ってきました。色々噂は聞いていましたが、聞きしに勝る素晴らしい球場でした。一番驚いたのは、試合開始の時の選手紹介の演出です。圧倒されるような大音響の音楽とともに、場内の大きな2つのスクリーンやカクテル光線を使いながら、DJが軽快に一人一人紹介し、選手が華々しく登場しました。見ているこちらも否が応でも気持ちが盛り上がります。そして食事ですが、色々なレストランがあり、多少並ぶのとやや値段が高いのを我慢すれば、好きな料理やデザートを食べられます。途中、試合が膠着状態になったため、観光がてら球場内を1階から3階まで歩き回りましたが、かなり広いため良い運動になりました。楽しく散歩をしたい人にはお勧めです。そして7回には、全国的に有名になったファイターズガールのフォックスダンスを見ることができました。試合は延長11回表、ソフトバンクが2点をとり、諦めの雰囲気が漂い席を立つファンも見られる中迎えた11回裏、マルティネスが同点2ランホームランを放ちファンは狂喜乱舞して大盛り上がり。結局延長12回時間切れ引き分けで、当時の負けなしの記録を更新しました。札幌ドームも素晴らしい球場と思いましたが、エスコンはそれ以上で、球団とファンが一体となってファイターズを応援している素晴らしいボールパークと思いました。札幌市民としては寂しい思いもありますが、エスコンに移って正解なのだと感じました。先月訪れたドジャースタジアムでの見学ツアーで、ドジャースでさえ、もともとはニューヨークのブルックリンにあったのが、当時のニューヨーク市長から建て替えの許可を得られずに遠く離れたロサンゼルスから熱心な誘致があり西海岸に移ったと聞きました。ドッジというのは「ウロウロしている」という意味なのだそうです。まるで札幌市とファイターズと北広島市で起きたことと同じじゃないか、と思いながら聞いておりました。

 今年は例年よりも花粉症が長引いたようですが、ようやく落ち着いてきました。これからは気温上昇による熱中症が心配されますので、水分を多くとることと、涼しい場所で体をクールダウンさせることに注意されてください。具合の悪い場合は点滴や漢方治療が有効ですので、お気軽にご相談ください。爽やかな北海道の夏をお楽しみください。

 写真はロンドンのピカデリーサーカスです。


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5月あいさつ(2024年)
5月になりました。4月末は暖かい日が続き、カタクリの花やエンゴサク、桜が一気に開花し目を楽しませてくれました。GW終盤には気温が下がり桜も散ろうとしておりますが、来週にはまた暖かくなるようで北海道の一番良い季節を迎えます。
 GWにはお休みをいただき、私の趣味である楽器のハンマーダルシマーにまつわるアメリカ旅行に行ってきました。初日はロサンゼルスで、現地でクリニックを開業している友人の案内でドジャースタジアムツアーに参加、日本のヒーロー大谷翔平の残り香に触れてきました。ビバリーヒルズホテルでセレブの人たちを見学(私はユニクロのパンツで渡り合いました)、桜田淳子で有名なサンタモニカで食事をとり、空港で没収されたお好み焼きソースをリトルトーキョーで買い直し、翌日は意気揚々とコロラドデンバーに向かいました。空港には友人でダルシマー全米チャンピオンのジョシュアが迎えてくれ、そのまま彼の自宅のある標高2000mのコロラドスプリングスへと向かいました。当地は世界中のアスリートが高地トレーニングに来ることで有名ですが、近くに「神々の庭」と呼ばれる先住インディアンの聖地があり、広大な土地を散策しました。低酸素を心配していたとおり、散歩後にはSPO2が95→91%に低下しましたが、意外と呼吸苦を感じませんでした。日頃の鍛錬の成果か、加齢による感覚鈍麻なのかはわかりません。泊めてくれたお礼にお好み焼きとラーメンを振る舞いましたが、お好み焼きが成功裡に空中を舞ったのが私の旅のハイライトでした。その後札幌の姉妹都市ポートランドへ向かい、私が小樽運河で演奏していた時に出会ったエヴァンの両親が出迎えてくれました。自宅には、有名なダルシマー奏者ミックさんがきてくれて、一緒に演奏してもらいました。陽気な人で、食事中もずっとジョークを飛ばし、親父ギャクは世界共通であることを確認しました。最終地は、私がダルシマーを輸入した会社ダスティ・ストリングスのあるシアトルに向かいました。事前に見学ツアーを申し込みましたが、あいにく土曜日は定休日であることがわかり残念ながら断念・・と思ったら、幸いにも担当の方が中村さんという日本人の方で、彼女の計らいで創設者のレイさんにお話しいただいたところ特別に開けてくれることになりました。レイさんが工場、ショップの見学ツアー、一緒に演奏、さらには観光とランチ、ディナーまで連れて行ってくださり感激至極でした。
 私が今回の旅で感じたことが2つあります。ひとつは人情です。持つべきものは友人といいますが、今回ほどそれを実感したことはありません。時に言葉が通じなくても相手を思いやる心というものが大切ですね。もうひとつは、アメリカの医療費の高さ、気軽に受診できない現実、ホームレスの多さです。どこの社会もみんな必死に生きているんだなぁと実感すると共に、日本の公的医療保険の素晴らしさを再確認しました。
 花粉症のピークを迎えております。抗アレルギー剤内服や点鼻、点眼で楽になりますので、お気軽にご相談ください。爽やかな北海道の春をお楽しみください。

 写真は、コロラドスプリングスにある「神々の庭=Garden of the Gods」です。

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4月あいさつ(2024年)
 4月になりました。あれだけ残っていた雪もあっという間になくなりつつあります。気温も20度を超える日もあり、往診最中にはふきのとうやクロッカスの花を見かけるようになりました。いよいよ待ちに待った春の到来ですね。

 先月も大谷選手のことを書きましたが、その後誰もが驚く展開になったのは皆さんご承知の通りです。人生には、3つの坂があると言われていますが、「上り坂」の頂点にいた大谷選手を待っていたのは、一心同体の盟友による「まさか」の裏切りでした。2人の縁はファイターズ時代から続くもので、我々北海道人は目を細めながら2人の友情と大谷選手の活躍を見守り応援していた方も多いと思います。それだけに今回のことで、まるで自分が裏切られたように心を痛めている人が多いのではないでしょうか。どんな境遇の人にも3つの坂はありますが、大谷選手クラスになるとどの坂も大変そうです。そう考えると平凡な自分の坂を見ると、大谷選手に比べれば大した落差ではなく、悪くないかなと思ったりもします。大谷選手にとっては人生最大の正念場に違いありませんが、幸いにも今は奥さんが身近で支えてくれている筈です。まだまだ本調子ではなさそうですが、それでも成績を上げてきているので、若い2人を応援したいですね。
 ちなみに、先月は、大谷選手が結婚して多くの女性が失望したに違いない、と書きましたが、実際には、多くの若い男性が結婚の決断を迫られ困ったという現象が起きたようです。なぜなら、仕事が忙しくて結婚を先延ばしにしていた男性が、誰よりも忙しい大谷選手が結婚してしまって、言い訳を失ったというものでした。人の心特に女心というものは難しく、これを読めないとまさかが待っているのかもしれません。肝に銘じたいと思います。

 札幌は既に花粉症シーズンが始まっており、間もなく黄砂も加わり、鼻炎などのアレルギー症状が本格化してきます。抗アレルギー剤や点眼、点鼻薬を使って早めに治療をしましょう。これから始まる春の芽吹きと色鮮やかな花々を見ながらお元気でお過ごしください。

 写真は4月に訪れた鳥羽市の海です。カヤックで無人島に渡り、鳥羽市方面を撮影しました。


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3月あいさつ(2024年)
 あちこちで雛人形を見かけると思ったら早くも3月を迎えました。2月は暖かく、一時は氷割りをする姿が見られましたが、一転真冬に戻ってしまいました。しかし、今年はみつば町内会の排雪は早く、割と平穏な冬となっております。

 能登地震から2ヶ月が経ち、その後の記事が散見されますが、なかなか復興は簡単ではないようです。印象に残った記事がありますのでご紹介致します。87歳のお婆さんが自宅の畑に肥やしを撒いているなんでもない写真でしたが、そのお婆さんは、一旦避難所に行ったものの、「昼だか夜だかわからん避難所生活、知人もいない」と、避難所生活が嫌になり、家族を説得し、電気水道が戻らない自宅へ戻り一人で生活を始めたと書いてありました。87歳のお婆さんがそんな環境で一人暮らしだなんて可能なのだろうかと思いましたが、お婆さんの「ここではすることがある、野菜や果物を育ててまた朝市で売るんだ」という言葉に力強さを感じました。また、東北大震災で放射能による帰宅困難区域が最近解除された町で、戻る人がまばらの中、少人数ながら地元のお祭りを復活させ、故郷に太鼓と笛の音を響かせた男性の記事がありました。亡くなった父親に聞かせたかった一心で取り組んできたそうです。こうした記事を見ると、自分の居場所や役割、人とのつながりが、個人と社会の関わりにおいていかに大切かを感じました。常日頃からそうしたものを大切に暮らしていくと、災害に遭った時に立ち向かえる大きな力になるのかもしれません。

 大谷翔平選手が結婚を発表し、多くの女性を失望させました。祝福の裏に嫉妬ありですが、大谷選手のホームランを見て全てを忘れましょう。

 2月末からアレルギー性鼻炎の症状を訴える患者さんが散見されます。例年どおり、2月末から5月にかけては、ハンノキとシラカバ花粉が飛散しますので、症状が出る前にお早めにご相談ください。まもなく雪解けを迎えます。春の訪れを待ちながらお元気でお過ごしください。

 写真は鶴居村の丹頂鶴です。飛び立つ前に華麗な舞を披露しておりました。


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2月あいさつ(2024年)
 2月になりました。雪の少ない1月でしたが、その後ドカ雪が降って辻褄が合ってきました。道が狭くなって、路面が凸凹になると2年前の悪夢が蘇りますが、札幌市にはそうならないように頑張って貰いたいところです。

 今回は、最近驚いた2つのIT技術について述べたいと思います。

 一つ目は、Ai技術についてです。ハワイで娘の結婚式を挙げた際に、親の挨拶があると言われどうしようか考えていた時です。ふとチャットGPTを思い出し、Aiならどんな挨拶をするのかな、と「ハワイ、新婦、父、挨拶」と入力して回答を待ちました。すると非の打ち所がない完璧な挨拶文が表示されました。おー、これは凄い!と思い、それをベースに作ることにしました。ところが途中でなんだか味気ないな、と思い、やはり自分の言葉で娘と紡いだ歳月について述べることにしました。私の挨拶はチャットGPTのように立派ではありませんでしたが、家族の心には届いたようです。
 この他にも、条件を入れると勝手に素晴らしい音楽を作ってくれたり、英会話の練習も際限なくAiが付き合ってくれて、改善点まで教えてくれるなど、驚くことばかりです。

 二つ目は、3Dプリンターを使った住宅をネットで見つけました。私の周りにも、3Dプリンターを駆使して色々なものを作っている後輩がいて、時々作品を送ってくれたりしますが、まさか家まで作れるとは驚きです。素材はコンクリートで、50平米の平屋を作るのになんとたったの48時間で完成し、バストイレキッチン付きで550万円だそうです。日本人の40%は生涯持ち家を持たないそうで、この会社の社長の夢は、日本人が安価で頑丈な家に住み、豊かな生活を送れるようになることだと言っておりました。技術と情熱の夢は膨らむばかりです。

 寒さが厳しさを増し、冬も佳境を迎えます。雪まつりが始まると多くの観光客が来て賑わいますが、同時に風の流行も心配です。保湿、保温、うがい、手洗いを心がけて、美しい北海道の冬を元気で楽しみましょう。

 写真は音更町の雪景です。夕日と防風林の陰影が綺麗でした。


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1月あいさつ(2024年)
 新年あけましておめでとうございます。令和6年、2024年の幕が開けました。今年の札幌は1月になっても記録的に雪が少なく、除雪の労から解放され過ごしやすい冬になっております。果たしてこのまま楽な冬が続くのか、それとも結局は帳尻を合わせてくるでしょうか。

 私ごとですが、正月は長女の結婚式のためハワイで年越しをしました。久しぶりのハワイでしたが、感じたことがいくつかあったので紹介させていただきます。
 
 ひとつは、日本との深い縁です。今回、改めて多くの日系人とその子孫の方達が暮らしていることを実感しました。日本人と同じ顔をした人たちが英語で話しかけてくるのは何か不思議な感じがしましたが、ところどころに日本語が混じるあたりに親しみを感じました。そもそもホノルル国際空港の名称が、ダニエル・イノウエ国際空港という日系人の名前に変わっているのです。その他にも、出雲大社や平等院があったり、居ながらにして初詣ができてしまう環境は、半分日本なのかと感じてしまうほどでした。
 もう一つは文化の強さについてです。ご存知のように、ハワイはハワイ王国を倒したアメリカが統治しておりますが、観光客をもてなしてくれるのは、欧米の文化ではなく、アロハ〜やマハロ〜といったハワイ語やフラダンス、ハワイ音楽です。同じことが北海道や沖縄でも感じることができます。王国が滅びても、今も生き続け、人々を癒し続ける文化の普遍性を改めて感じました。
 ディナークルーズに参加した時のことです。フロアは世界中から来た人たちでいっぱいでした。周りからは色々な言語が聞こえ、各テーブル皆さん楽しそうに過ごしておりました。私はこの光景を見て、この船は地球の縮図のように感じました。実際の地球も、このクルーズ船のように、お互いを尊重し、調和しながら楽しく過ごせる日が来ないものか、などと夢想しておりました。
 最後に物価の高さです。ABCマートで買い物をしていると、日系のおばちゃん店員が話しかけてきました。「ほら、見てごらんなさい。コーヒー豆が8000円もするのよ。本当に物価が高くて勘弁してほしいわ。今の大統領にしっかりしてもらわないと。」などと、どこの国のおばちゃんも言うことは一緒だなぁと思いつつ聞いておりましたが、感覚として日本の1.5〜2倍です。これにチップが20%くらいかかるので、それはもう高いです。それでも、日本人観光客が沢山いるのです。中国人や韓国人は少数派で、日本人が圧倒的多数です。ハワイは日本人の第2の故郷なのかもしれません。

 元旦から日本は災難に見舞われました。私もハワイでネットニュースを見て愕然としておりました。地震と飛行機事故でお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りいたします。一方で、全員を脱出させたJALの対応に、国内外から賞賛が集まっております。欧米の航空関係者からは、「やはり日本人はレベルが高すぎる。」と最大限のリスペクトをいただいたそうです。苦難から始まった新年ですが、同時に立ち向かう姿をクルーの皆さんたちが示してくれたのではないでしょうか。今年もよろしくお願いいたします。


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12月あいさつ(2023年)
 寒くなったと思ったらあっという間に師走を迎えました。栄通りの銀杏並木の葉っぱもいつしか枯れ落ちて、道には雪と氷が溶けずに残っています。果たしてこのまま根雪になるのでしょうか、それとも再び記録的な暖かさがもどってくるのでしょうか。

 今年を振り返ると、やはりどうしてもウクライナ戦争のことが思い起こされます。当初ゼレンスキー大統領は国民からも西側諸国からも圧倒的な支持を得ておりましたが、長引く戦線に欧米諸国からは戦争への支援疲れ、厭戦気分が広がりつつあり、また国内では大統領と総司令官の対立も漏れ聞くようになりました。両国はエネルギー資源と農産物の大きな供給国であり、自国にとっても世界にとっても不幸な事態が続いております。それに加え、今年はイスラエルとパレスチナとの間にも戦争が始まってしまいました。こちらは、宗教と人種の争いであり、その因縁は2000年以上前に遡るとも言われ、日本人には想像を絶する憎しみの歴史なのかもしれません。そして、両国の争いは欧米とアラブ諸国の代理戦争でもあり、ひとつ間違えると大惨事を招きかねません。とりわけこの地域で戦争が拡大すると、石油価格はさらに上昇し、日本経済はさらに悪化することでしょう。COP25やダボス会議で地球環境を思いやることも大切ですが、今すぐ罪もない人々の命を救うことの方が大切なのではないでしょうか。

 3月に、ロンドンにオペラ留学している長女のコンサートを見るためにコロナ制限下の日本を出て渡英した時のことです。イギリスは既にコロナは解除され、自由な空気が流れていました。ホテルを出てすぐに真っ赤な2階建のロンドンバスが目に飛び込んできました。それを見た瞬間、涙が滲んできました。この3年間見た風景に色がなかったことに気がついたのです。自由の大切さが身に沁みました。来年は、地球上の全ての人に、鮮やかな色が戻ってきますように。

 インフルエンザの流行が続いております。ワクチンがまだの方はお早めに接種してください。1月からクレジットカード対応の予約システムが始まります。またオンライン診療のシステムも新しくなります。詳しくはホームページに掲載予定ですのでそちらをご覧ください。皆様、良いお年をお迎えください。

 写真は石狩浜のビーチです。雪が降る前日の暖かい日で、夏を思い出すような風景でした。


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11月あいさつ(2023年)
 今年は記録的な暑さだったせいか、11月に入っても暖かい気温が続き、東京では11月の最高気温を100年ぶりに塗り替える夏日があったほどです。そのせいか北海道では過去に記憶がないほどの大量の雪虫が発生し、外を歩くのも大変なほどでした。果たして本当の雪はいつ降るのでしょうか。

 先日ある学会の教育講演で座長を務めた時の話ですが、演者の先生がノーベル賞受賞者の大村智先生とゴルフ仲間で、講演中に紹介されていた「ストックホルムへの廻り道」という本に興味を持ったため読んでみました。というのも私は北里大学出身でありながら、北里柴三郎先生のことも、北里東洋医学研究所のことも、実は大村智先生のことも大して知らなかったため、良い機会と捉えたためです。入学してすぐに驚いたことがあります。大学の玄関すぐ横に北里柴三郎先生の胸像が鎮座していたのですが、ある時その胸像の前を本人と思しき人物が歩いていたのです。「まだ生きている・・!?」と不思議に思いましたが、まもなく歩いていた人物は北里柴三郎先生の孫にあたる当時の学長であったことがわかりました。本当に生き写しでした。
 さて本の感想ですが、最初に印象に残ったのが、先生の奥様との馴れ初めです。奥様は名家出身のご令嬢でしたが、研究者と結婚するのが夢で(そんな女性がいるのですね)、大村先生とのお見合いが組まれました。しかし当時は駆け出しの研究者で給料は安く、義父からは農家出身者では釣り合わないと反対されたようです。奥様は結婚生活の2/3を乳癌との闘病生活を送りながら、生涯大村先生の研究をお支えになりました。大村先生が北里研究所やメディカルセンターや大学の経営に携わって苦労された時や、出身地の山梨大学の学長を依頼された時も、研究者ではなくなりかけた時には、奥様は一貫して先生が研究を続けられるように助言されました。大村先生がノーベル賞を受賞された時、亡くなられた奥様の写真を胸に忍ばされていたとの記述があり、まさに夫婦二人三脚で受賞されたのだと思いました。
 もう一つは、「一期一会」をモットーに、袖が触れ合う仲でも大切にすることを実践されている数々のエピソードです。世界に広がる研究者の人脈のみならず、美術やゴルフ、地縁を大切にする素晴らしい人脈と実行力は、偉業を達成する人はこのような人物なのかと感心するとともに、自分に欠けていることが多すぎて反省するばかりでした。
 
 私は一介の臨床医にすぎませんが、なんとか地域医療に貢献したいと思っております。一方、研究者は臨床をしないかわりに創薬で世界中の患者の治療を目指しています。私は、大村先生の足元にも及びませんが、爪の垢程度、いや先生の発見した放線菌のひとつくらいには世の中の役てればなぁと思いました。もっとも大村先生からは「放線菌の勝ちだな」と言われそうですが。

 今年はインフルエンザの流行が早く、寒くなるとともに患者さんも増えてくると思われます。今のうちにワクチンを済ませて冬に備えましょう。ご希望の方は受付でご予約を承っておりますのでお問い合わせください。ちなみにインフルエンワクチンは北里研究所が開発・製造した代表的な創薬です。

 写真はみつば公園の紅葉です。我らがみつば町内会にこんなに美しい紅葉があって幸せですね。


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10月あいさつ(2023年)
 暑い夏が終わったと思ったらいきなり肌寒くなり夜には暖房を入れたくなるほど寒い日も見られるようになりました。それに伴い街路樹や森の木々も徐々に黄色と紅色に染まり始め美しい紅葉のシーズンを迎えつつあります。当クリニックのデイサービスでは紅葉狩りのレクレーションを楽しみに計画しているようです。

 今回はIT化、自動化について述べてみたいと思います。IT化の遅れが言われて久しい日本ですが、3月のイギリス訪問ではそれを実感しました。まず支払いは現金を使うことはなく全てクレジットカードかオンライン決算で、レストランやホテルやイベント、電車の予約に至るまで、全てスマホで完結、紙のチケットを拝むことはついぞありませんでした。他の国ではどうなっているかはわかりませんが、コロナ前に行ったオーストラリアでは、店の人と話していたら、中国人は全てスマホかカードでの支払いでハイテクだと言っていました。韓国では、日本のマイナンバーや免許証に該当するものは、全てスマホに入っているそうで、日本より30年進んでいると言われています。かつてはハイテク国家と言われて鼻高だった日本ですが、今や周回遅れのノロマなカメになってしまいました。

 しかしそんな日本でも、徐々に進化を実感する出来事がありました。友人と中華レストランに行ったところ、なんとロボットが料理を運んできたのです。ちょっとこぼしていたのはご愛嬌ですが、料理をとるとそそくさと店の奥に帰って行きました。この他にも注文は自分でタッチパネルという店が一般化してきましたし、レンタカーもスマホで予約、決算や面倒な保険や免責の同意も事前に行い、店に着いたら即出発できました。あるキャンプ場では、予約と決算はスマホのみ、電話番号の記載なく、客への対応は一切なくして、場内のメンテナンスに専念するという斬新なスタイルでした。
 こうしたことは5年前までには考えられなかったはずで、深刻化する人手不足にコロナ禍の非接触のライフスタイルが拍車をかけた結果でしょうか。当クリニックでも、かねてから患者さんからクレジットカードやバーコード決算のご要望をいただき、時代遅れのそしりを逃れられない現状でした。しかし、当クリニックでもついに令和6年1月から予約と決算がスマホやパソコンで完結するシステムが稼働します。事前にご予約をいただくと来院時の受付も簡略化され、診察後はこれまでの窓口での支払い工程がなくなり、待ち時間が短縮されます。詳しくは、受付でバーコード付き資料をお配りしておりますのでご覧ください。

 今年は早くもインフルエンザが散見され、コロナと同時流行の様相を呈しております。どちらの感染かは、検査をするとわかりますので、ご希望の方はお問い合わせください。美しい秋の紅葉を、健やかにお楽しみください。

 写真は伊達市大滝地区の三階滝です。うっすらと紅葉が始まっていて綺麗でした。


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