院長あいさつ

3月あいさつ(2023年)
3月になりました。今年は雪が少なく、3月に入ってから一気に10度近い日が続き、順調に雪融けが進んでおります。悪夢のような昨年の道路コンディションと比べると、天国のようにさえ感じます。今年は市長選がありますが、札幌市民はどのような裁定を下すのでしょうか。

 今年も流氷を見に道東に行ってきました。これまでは流氷を陸や空(ドローン)から撮影するのが目的でしたが、今回は新たな楽しみが増えました。皆さん、流氷の天使と言われるクリオネをご存じのことと思います。このクリオネを捕獲できるという話しを聞き、それは是非自分でもやってみたいという衝動が抑えられなくなり、人から話を聞いたり、ユーチューブを見たりして作戦を立てました。オーソドックスな方法は、ウェーダー(胴長)を履いて、胸まで海に入り、長い竿付きの網で流氷の下をトロールする、というものでした。しかし、浅瀬で、風呂で使う手桶でやすやすと救っている動画を見つけたため、今回は簡単な装備で済む、長靴と手桶作戦で実戦に臨みました。場所は斜里町近くの砂浜で、流氷が上手い具合に溶けて浅瀬でも容易に流氷に近づけるこれ以上ないクリオネ日和、と1人砂浜でほくそ笑みんでおりました。喜び勇んで、手桶を持ちながら海に入って1時間・・・なんと大量のクリオネが・・・という夢は儚く、1匹のクリオネを捕獲どころか、見つけることもできず、結果は丸坊主でした。職員と、クリオネ捕獲を約束してきた手前、近くのスーパーで売っているという1匹2500円のクリオネを購入しようかとも思いましたが、プライドが許さず潔く敗北を報告するに至りました。今年はクリオネを天使だと思って甘く見たために辛酸を味わいましたが、来年は、ドライスーツとライフジャケット、カヤックなどフル装備で臨み、本気でクリオネに挑みたいと思います。捕獲できた際には、待合室に展示しますので、1年後ですが乞うご期待ください。
 
 ワールドペースボールクラシックが始まります。日本は北海道ゆかりのダルビッシュ選手や大谷選手などのスーパースターを擁し、世界一奪還を目指します。韓国と同組のため盛り上がること間違いなしです。皆さん、興奮しすぎないようにしながら日本を応援しましょう。


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2月あいさつ(2023年)
 2月になりました。今年の札幌の積雪量はそうでもありませんが、連日最低気温がマイナス10度を下回る厳しい寒さが続いております。東京でも雪が降る日が散見され、今年の寒波は全国規模のようです。

 今年こそは明るいニュースを期待しておりましたが、早くも悲しいニュースが届いてしまいました。2月6日にトルコ南東部とシリアにかけてマグニチュード7.8の大地震が起きたのです。このニュースを知ったのは、テレビではなくスマホのSNSにおいてでした。突然、大きなビルやマンションが次々と崩壊、倒壊する映像が流れ、「アッラーフ・アクバル!」と恐怖の雄叫びをあげながら逃げ惑う群衆の映像が流れてきました。最初は映画か何かの映像かと思いましたが、関連動画を見ながら、コメント欄を見ていると、現実にトルコで起きていることだということがわかりました。これは大変なことだ、と思いながらテレビをつけて詳細を知ろうとしましたが、しばらくはほとんど何のニュースもありませんでした。ただ日常のエンターテイメントとバラエティ、そしてニュースはルフィー事件に関わることが延々と流れていました。この件で、私は2つのことを感じました。
 
 1つ目ですが、現時点で亡くなった方は2万人以上、被災者は2000万人以上と言われており、日本の東北大震災の被害を既に上回っている悲惨な事態となっています。おそらく地震大国日本と比べても、恐ろしい規模の地震だったに違いありません。しかし、同じ地震が日本で起こったら、こんなにも多くの被害と犠牲がでたでしょうか?これまでの震災の数々を思い返すと、おそらく答えは否でしょう。それは、地震の巣の上に住むと言われている私たちが長年舐めてきた辛酸の歴史から学んだ科学技術に基づく耐震建築の進歩があるからこそだと思います。現在、昼夜問わず、勇敢なトルコやシリアの人々が救助にあたっており、多くの命を救っている映像もまたSNSでたくさん流れており、人間の勇気と偉大さを目の当たりにします。しかし、願わくば、このような事態にならないように、次こそは耐震建築を強化し、大切な命を守ることを願わずにはいられません。日本の技術と援助が今こそ役立つ時ではないでしょうか。
 
 2つ目ですが、この大惨事に対する日本のメディアの扱いの少なさです。本来であれば、直近では世界的な自然災害を被った日本こそが大きな関心を示し、迅速に援助を行う立場ではないかと思います。しかし、実際は、この件に対しての情報量はマスコミよりも、スマホから流れてくるSNSの映像と現地からの情報が圧倒的に多いのです。関心がないのか、情報ソースがないのか、あっても視聴率につながらないから流さないのかわかりませんが、マスメディアの存在意義について考えてしまう出来事でした。

 トルコは世界の中でも大変な親日国として知られています。それは1890年(明治23年)の紀伊半島沖でトルコの軍艦エルトゥールル号が遭難し、住民が懸命な救難活動を行なって以来、両国には友情が続いております。1985年のイラン・イラク戦争では、イランから脱出できなくなった215名の日本国民を、トルコ政府は救援機まで派遣して救ってくれました。この時、トルコ全権大使ははっきりとこう言ったそうです。「エルトゥールル号のご恩返しをさせていただきましょう」。トルコは約100年間、恩を覚えていてくれていました。さて、私たちはどうでしょうか?

 5月にいよいよコロナが2類から5類相当になることが決定しました。公費負担はしばらく残るようですが、コロナワクチンは自費になる可能性があるようです。詳細が分かり次第、情報をお伝えしたいと思います。立春が過ぎ、雪まつりが終われば、冬将軍の勢力が弱まります。雪かきで体を鍛えながら健やかにお過ごしください。

 写真は冬の千歳川です。吹雪が収まると極上の夕焼けが姿を現しました。


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1月あいさつ(2023年)
 新年あけましておめでとうございます。今年は積雪のペースが早く、白石区はそうでもありませんが、同じ札幌市内でも北区や東区、とりわけあいの里では例年より多くの積雪があり、初冬から雪かきに追われていると聞きます。あらゆる現象が温暖化に帰結するのかどうかは、もはや素人にはわかりませんが、今年も右往左往しながら頑張って参りたいと思います。

 2020年1月に日本で最初のコロナ感染者が報告されてから今年で4年目を迎えました。第一次世界大戦時のスペイン風邪が約3年で終息しており、今回はm-RNAワクチンという最新鋭の技術が登場したため、もっと早く終息するのではないかと期待しておりましたが、残念ながら日本の現実は厳しいものとなっております。しかし、世界では幸か不幸か多くの人々が感染した後に、より強固な感染免疫を獲得しており、日本以外の国々はでほぼマスクなしの通常運転に戻っているようです。日本ではワクチン免疫が大半でしたが、第8波を迎え多くの方が感染免疫を獲得しつつあり、いよいよ2類相当からインフルエンザ並みの5類相当への引き下げも時間の問題と思われます。

 思えば、コロナ禍は多くの孤立と分断を生み、私たちはこれまでに経験したことのない特殊な社会情勢を生きることになってしまいました。多くの苦渋を味わった一方で、在宅勤務やウェブ会議という新しいライフスタイルが生まれました。もはや完全にコロナ禍前に戻ることは考えづらく、それぞれの立場で生き方の多様化が進んで行きそうです。昨今はSDGsで、ジェンダーフリーが進み、性別の概念も多様化しております。いずれ紅白歌合戦も、心電図の端子並みに、紅黄緑茶黒紫白のように多くの組み分けが必要になるかもしれない、などと思いながら、大晦日を過ごしておりました。皆様にとって、ご多幸あふれる年になりますように。

 コロナワクチンも5回目を迎え、当クリニックでも今月から接種を開始致します。発生当初から比べると重症化率は低下し、ほとんどの方が軽い風邪程度で治っております。しかしながら、基礎疾患のある高齢者や免疫低下状態の方達は引き続き注意が必要ですので、ご希望の方は受付までお知らせください。

 写真は、冬の千歳川です。私は冬もカヌーを漕いでいますが、特に冬の美しさは格別で、誰もいない絶景を独り占めしています。



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12月あいさつ(2022年)
 気づけば師走になり、雪のなかった冬も極寒低気圧の訪れで、あっという間に雪景色になってしまいました。雪は数日経っても消えず、いよいよ雪かきのシーズン到来でしょうか。

 11月からサッカーW杯が始まり、サムライイレブンが熱い戦いを見せてくれました。日本は今回が7回目の出場で、これまでの最高位のベスト16を超える成績を期待されカタールに乗り込みました。しかし、当初の前評判は低く、大会直前まで森保監督の采配には常に厳しい批判がつきまとっていました。森保監督といえば、1994年W杯アジア最終予選で、キングカズこと三浦和良擁する日本代表のメンバーの1人で、誰もがW杯初出場を確信した残り数秒のロスタイムにまさかの同点ゴールを決められ出場を逃した、いわゆる「ドーハの悲劇」の生き残りです。当時のNHKのテレビ解説を務めていたのが、岡田武史氏と、田嶋幸三氏でした。当時、両氏は衝撃的な敗戦に絶句し、岡田氏は涙ぐみながら選手の健闘を讃え、田嶋氏は将来を見据えた強化の重要性を訴えていました。それから28年の時を経て、岡田氏は2度の日本代表監督を務めた後、再び解説者として、田嶋氏はJFA会長として、そして選手だった森保氏は監督として、ドーハのあるカタールに戻ってきました。今回の大会は、ベスト16突破を目指すこと以上に、悲劇を歓喜に変えるという大きな責任を感じていたはずです。

 ところが、日本の予選グループには、優勝経験国のドイツとスペインがおり、誰もが予選リーグ通過は難しいと考えていました。しかし、ご存じの通り、日本はドイツとスペインに歴史的な番狂わせを演じ、まさかの首位で決勝トーナメントに進出しました。海外からは、「侍イレブンの躍進」と驚きを持って伝えられ、個性豊かなサムライたちが躍動しました。私は、彼らの戦いを見ながら、黒澤明監督の「七人の侍」を思い出していました。「ブラボー!」と絶叫する長友選手は菊千代を、堂安選手は若侍を、三苫選手は剣の達人の久蔵を連想し、そして森保監督は、温厚な大将の勘兵衛そのものでした。侍イレブンは、残念ながらベスト16で敗退しましたが、力の限りを尽くした姿は、我々国民に勇気と大きな喜びを与え、文字通りカタールを歓喜の地に変えてくれました。戦いを終えて三人になった侍が見た光景は、笑顔で田畑を耕す農民たちの姿でした。私たちも、4年後に向けて、それぞれ自分の持ち場で、笑顔で過ごしていきたいものです。

 コロナの感染者増が続いております。しかし重症化率は極めて低くなり、実際はインフルエンザかそれよりも軽症の患者さんがほとんどです。国も、ようやく2類相当からの引き下げを検討し始めており、ついに長いトンネルから抜け出せそうです。来年は良い年となることを願って、皆様、良いお年をお迎えください。

 写真は虎杖浜のアヨロ海岸です。遠浅の地形が作る優しい波と夕日のコラボレーションが美しい場所です。


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11月あいさつ(2022年)
 気がつくともう11月、すっかり日が短くなり、札幌の日没は午後4時15分くらいになってしまいました。1年で最も日が短い冬至まであと1ヶ月半、紅葉もほぼ終わりを迎え、間もなく白い妖精が舞い降りるでしょう。

 今年はコロナがパンデミックとなって3年目、世界中でコロナワクチンが接種され、いよいよ明るい未来が見え始めたと思ったら、まさかのロシアによるウクライナ侵攻が勃発。コロナで四苦八苦しているところに、新たにエネルギー問題と食糧問題が加わりました。物価は欧米では10%近く、デフレの日本でさえ2-3%上昇しました。イギリスでは電気料金がなんと昨年の4倍に跳ね上がったという記事を見て、驚きと同情を禁じ得ませんでしたが、つい最近我が家にも電気料金改定の知らせが届き、2倍になっているのを見て目の玉が飛び出ました。こうしたエネルギーの高騰はしばらく続くものと思われ、日本ばかりでなく、世界中の人たちが寒い冬を前に不安な思いでいるに違いありません。地球には、未だ石油や天然ガスなどの化石燃料は十分に埋蔵されており、加えて太陽光や風力発電などの技術もあります。奪い合うからこそ足りなくなるのであり、歴史的にも紛争の原因であり続けています。残念ながら、人類は未だに野蛮で、お互いに分け合い、助け合いながら平和な世界を築ける精神レベルにないようです。

 政治、経済ともに見通しが暗い時代ですが、人生はそればかりではありません。ファイターズやコンサドーレ、レバンガの活躍に心躍らせ、毎朝大谷翔平選手の朗報に喜び、ゴルフ女子プロ選手のメジャー制覇に感動したり、もしくはご自身の趣味に没頭し楽しんでおられる多くの患者さんを知っています。文化、芸術は政治経済とは別物であり、歴史を通してより普遍的に残るものです。そういったものに触れながら、明るい年越しをしたいものです。

 インフルエンザワクチン接種がピークを迎えております。12月末まで接種を行いますので、まだお済みでない方は受付までご相談ください。コロナワクチンは1月以降に予定しておりますが、準備が整い次第ご案内いたします。コロナ感染は拡大しておりますが、幸いにも軽症で治る方がほとんどです。恐れすぎずに、これまで通りの感染対策をしながら、暖かくしてお元気にお過ごしください。

 写真は洞爺湖の朝陽と紅葉です。早朝の洞爺湖は水面が鏡のように美しく、鳥の囀りが耳を楽しませてくれました。


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10月あいさつ(2022年)
 10月になりました。コスモスも盛りを過ぎ、ついに花の季節は終わりを迎え、いよいよ美しい紅葉のシーズンになってきました。気温も一気に一桁台まで落ち、夜はストーブ、外出時はコートが必要になってきましたね。

 皆さんご存じの通り、私はカヌーをするので毎週のように川や湖に出かけて写真を撮っております。昨年、友人に連れられて初めて北海道の海でカヤックを体験し、その魅力に嵌ってしまいました。中でも、院内で写真を紹介しておりますが、積丹の海の美しさは筆舌に尽くしがたいものであり、ハワイや沖縄でカヤックをした経験がありますが、そうした観光地と比べても同等、もしくはそれ以上の美しさだと感じました。特に積丹岬の入り組んだ奇岩の入江は、まさに積丹ブルーが続く碧の海廊の如しで、天国かと思うような光景でした。しかし、海は川や湖と違い、スケールが大きく、一旦天候が変わると、即命の危険につながります。ですので、より周到な準備と慎重さが求められます。先日はちょっとだけ風のある日に行きましたが、想像以上の波とうねりがあり、岬でのカヤックは断念。余市あたりは波が小さかったので、ローソク岩上陸を目指し漕ぎ出しました。しかし漕ぎ出すと、波は小さいものの、うねりが1-2メートルあり途中で恐くなって引き返しました。自然に身を委ねると、天国を感じることもある一方で、地獄の入口を感じることもあります。人間のちっぽけさを思い知る瞬間であり、喜びと無情は同じ場所にあるのではないかと感じたりもしました。

 先日、早朝に北朝鮮からのミサイルが東北上空を飛び、けたたましいアラートで驚いた方も多いと思います。患者さんの中には、「いやー、今朝の地震はこわかったねぇ」とおっしゃった方もいらっしゃいましたが、本当に恐いのは自然よりも人間の方かもしれません。同じ地球という場所に住んでいるのですから、願わくば、核戦争などの悪夢よりも、桃源郷のような世の中になって欲しいものです。

 10月12日からインフルエンザワクチンの接種を開始致します。当クリニックに受診歴のある方の全員分を確保しております。ご予約は電話もしくは受診時にお願い致します。いよいよウィズコロナの時代になり、マスク規制も緩和されつつあります。美しい紅葉を楽しみながら、健やかにお過ごしください。


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9月あいさつ(2022年)
 9月になりました。夏の終わりを迎え、紫陽花が姿を消し、芙蓉の花も盛りを過ぎ、コスモスの季節となりました。暑かった夏も終わり、再び過ごしやすい北海道の初秋がやってきました。

 世界ではインフレが止まらず、アメリカでは7〜8%、デフレの日本ですら2〜3%の物価高となっています。先日、物の高さに驚いたことが2つありました。1つは積丹の美国でのことです。本州から来た友人とウニ丼を食べに行ったのですが、その値段を見て度肝を抜かれました。数年前まではバフンウニだと7000円程度だと記憶し、それでも十分高いと思いましたが、今回はなんと1万5000円という信じがたい値段になっていました。安い方のムラサキウニを友人に奢ってもらい事なきを得ましたが、もはやウニ丼は高値も高値、はるか高嶺の花になってしまいました。
 
 2つめはニセコに行ったときの事です。コロナ前のニセコは外国の富裕層が大挙して押し寄せ、不動産を始めレストランなど物価が軒並み上がっておりました。しかし現在は閑散としており、物価も下がっていると聞いたため、新しくできた外資系ホテルのラウンジで軽食をいただきに行きました。入るなり、ステージ上ではウッドベースとフルートの生演奏、そしてウエイトレスは外国人で英語のみの対応でした。ちょっと嫌な予感がしましたが、ラウンジなので大丈夫だろうと、フィッシュアンドチップスとラザニア、デザートと飲み物を頼みました。会計ではそれなりに覚悟していたのですが、予想の2倍の価格を告げられ、衝撃を受けました。

 アメリカでは給料も上がっているようですが、それ以上に物価が上がり生活苦を訴える人が増えているそうです。加えて人手不足が深刻で、時給4000円でも働き手が見つからない業種もあるそうで、今や世界はかつてない経済環境に置かれているようです。できることは限られていますが、とりあえず、ニセコのホテルと積丹にウニ丼を食べに行くときは、奢ってくれそうな友人を探して行こうと思います。

 コロナの第7波が長く続いております。幸いにも重症化率は低いままで、政府は、海外からの入国制限の緩和、陽性者の全数把握の中止などが検討、実施され、いよいよウィズコロナ社会に向かって進んでおります。引き続き感染対策を続けていただき、もし風邪症状がある場合は、かかりつけ患者さんであればPCR検査ができますので、いつでもご相談ください。

 写真は厚岸町付近の別寒辺牛川の夕景です。広大な湿原の中にあり、カヌー下りをしながら太古の自然を楽しめます。


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8月あいさつ(2022年)
 真夏の8月になりました。ラベンダーもピークを過ぎ、街は紫陽花で彩られています。お盆を控え、夏本番の筈なのですが、今年は意外にも過ごしやすい日が続いております。北海道の夏は7月初旬で終わってしまったのでしょうか?

 夏といえば、私にとってはカヌーシーズン本番なのですが、特に川でカヌーをする時に注意することがいくつかあります。それは危険な場所には一人では行かない、転覆した時のセルフレスキューの習得維持、などが挙げられます。ところが、最近はもう一つのリスクマネジメントが増えました。それは「ヒグマ」です。皆さんご承知の通り、昨今は札幌の至る所で頻繁にヒグマが目撃されています。つい先日は、高速道路にも親子熊が現れて騒ぎになりました。中でも、私が住む南区はヒグマのメッカで、ほぼ連日のようにヒグマが出没しています。もはや近所の公園を散歩する時も警戒しなくてはなりません。ですので、定山渓でカヌーをする時は、より細心の注意と準備が必要となります。クマ避けの鈴は3つ持ち、かつ大音量の電子ブザーを時折鳴らしてクマに自分の存在を知らせます。それでも最悪、出会ってしまったらどうすればよいのでしょうか?

 一般的には背中を向けずに、対峙しながらゆっくりと後ずさりする、とあります。しかしそれでも向かってきたらどうすればよいでしょうか?などということを真剣に考えるようになり、高価なのでずっと迷っていたクマ避けのスプレーをついに購入しました。これで気持ちが幾分楽になったのですが、それでも格闘になったらどうすれば良いのでしょうか?身近にまたぎの子供として熊肉を食べながら育った方がいるので聞いてみたところ、彼は自信満々にこのように教えてくれました。まずは熊の懐に入ること、それにより2つの良いことがあるそうです。一つは、懐に入ってしまうと熊の腕の可動域の問題で意外と安全らしいこと、もう一つは接近すると熊の急所を攻撃できること、だそうです。しかし、接近した時に熊に頭をかじられることはないのか、という素朴な疑問が浮かんだため聞いてみると、こうした答えが返ってきました。「かじられるかもね」。

 コロナ禍も第7波を迎え、感染者数が史上最高になっております。一方で、重症化率や死亡率は低下しており、徐々に毒性は弱まってきているようです。これまで通り3密を避けて、うがい、手洗い、手の消毒を続け、クマにも気を付けながら、北海道の爽やかな夏を楽しみましょう。

 写真は、鮮やかな積丹ブルーの海です。少し沖合を泳いでいるカップルがいて、とても気持ちよさそうでした。


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7月あいさつ(2022年)
 7月になりました。先日支笏湖に注ぐ美笛川をカヌーで遡上したところ、河原一面にルピナスの大群生があり、大変綺麗でした。そのルピナスもピークを終え、いよいよ北海道の夏の真打ち、ラベンダーが登場します。富良野に行かなくても南沢のラベンダー発祥の地や東海大学札幌キャンパスに立派なラベンダー畑がありますので、ご興味のある方は訪れてみてはいかがでしょうか。

 7月に入り、世界的に食料品や燃料の値上げが続いています。加えて円安が進行し、物価のさらなる上昇が心配されます。レギュラーガソリンはリッター160円を超え、政府の補助がなければ既に200円を超えているところです。いずれもロシアによるウクライナ侵攻に端を発したものですが、世界はロシアとの我慢比べの様相を呈しています。イギリスでは、ジョンソン首相がウクライナへの軍事支援を積極的に行なってきましたが、物価高に対する経済対策への不満が重なり辞職に追い込まれました。ウクライナを支援することは重要ですが、遅かれ早かれ、日本を含む西側諸国もイギリス国民と同じジレンマを抱えることになりそうです。

 そんな中、大変ショッキングな事件が起きてしまいました。安倍晋三元首相が銃撃により亡くなられました。多くの人は耳を疑ったに違いありません。政治家ですから功罪はあると思いますが、ほとんどの国民は何かしらの喪失感を感じたのではないでしょうか。日本の政治家が凶弾に倒れたのは、昭和初期の5・15事件や2・26事件、昭和35年の社会党の浅沼党首などが思い起こされますが、まさか現代日本で銃による暗殺事件が起こるとは思いもよりませんでした。安倍元首相は、海外首脳や要人とのつながりが深く、今後も日本のために働く機会があったに違いありません。ご冥福をお祈り致します。

 コロナの第6波が終わり、日本を含む各国の渡航制限は緩和され、飲食や旅行への機運が高まっていました。ところが最近再び感染者数の増加が続き、実に第7波が到来したと言われています。諸外国は、重症化率が低くなったことより、感染拡大に対しても緩和措置を継続の構えです。今後の日本の選択が注目されます。

4回目のワクチンの予約を開始しております。今回対象となる60歳以上の方や基礎疾患のある方で、当クリニックにかかりつけの患者さん全員分のワクチンをご用意しております。ご希望の方は受付までご連絡ください。暑く長い夏になりそうですが、熱中症や夏バテに注意しながら健やかにお過ごしください。

 写真は、中富良野のファーム富田のラベンダー畑です。


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6月あいさつ(2022年)
 ライラックと藤の花が満開となり、季節は百花繚乱の春から初夏に移りかわろうとしています。やっと豪雪から解放されたと思ったら、早くも夏至ですね。「6月の日暮はお金持ちの親戚」に例えられるように、なかなか暮れそうで暮れないなどと言われ、日照が最も長い季節です。1年で最も爽やかな季節ですので、外の景色を楽しみながら楽しく過ごしたいですね。

 5月末に日本東洋医学会の全国大会が札幌で開催されました。私は準備委員の1人として、初学者への教育講演など、少しだけ関わらせていただきました。折しもコロナ禍により前年に続きほとんどの発表がオンラインになってしまいました。しかしいくつかの招待公演は人数限定で開催され、会場で脳科学者の茂木健一郎さんの講演を聞くことができました。茂木さんは脳科学だけでなく、もともと物理学を修了されており、多くの示唆に富んだお話をされました。なかでも、EBM(根拠に基づく医療)は必要だ、としながらも、あらゆる事象には多くの変数(パラメーター)があり、たった1つの根拠に依存するという考え方はいささか単純すぎないか、という問いかけをされました。物理学では、アメリカで起きた竜巻の始まりは、アマゾンの蝶の羽ばたきから始まっているかもしれない、という仮説を大真面目に議論するそうです。その後、様々な変数(パラメーター)の影響を受けたのちに、アメリカで巨大な竜巻に成長する、というのです。これは大変な複雑系の話となり、世界最高峰のスーパーコンピューターを持ってしても正確に計算することは不可能でしょう。なぜなら、現代の科学では解明できない、多くの事柄が関与しているに違いないからです。茂木さんは、これを「暗闇に落とした鍵」と表現されました。明るいところに落とした鍵は容易に見つけることができますが、暗闇に落とした鍵はなかなか見付けることはできません。現代科学は、既に解明されている根拠を元に証明している、つまり明るいところに落とした鍵を拾っているに過ぎない。だからそれは大した知性ではない、というのです。

 私は、これを聞いて、漢方医学の役割についてはっきりと自覚することができました。漢方医学は、科学ではなく、経験に基づいた経験医学です。よって科学的な根拠を見つけることはできませんが、人間全体を見た上で、正常からどちらの方向にどれだけ偏っているか、を見つけることで病気を治癒に導くことができます。つまり暗闇の中でおおよその方向と距離がわかり、鍵を拾うことができるのです。現代医学は、診断がつかなかったり、診断がついても難病で治療法がなかったり、多くの科をまたがるような複雑な症状の治療が苦手です。漢方医学は、このような時に大きな助けになります。私は、これからも、暗闇に落とした鍵を毎日探したいと思います。

 写真は、滝野すずらん公園のチューリップです。小人の目線で撮ると、チューリップの森のようですね。


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