院長あいさつ

 

2月あいさつ(2023年)
 2月になりました。今年の札幌の積雪量はそうでもありませんが、連日最低気温がマイナス10度を下回る厳しい寒さが続いております。東京でも雪が降る日が散見され、今年の寒波は全国規模のようです。

 今年こそは明るいニュースを期待しておりましたが、早くも悲しいニュースが届いてしまいました。2月6日にトルコ南東部とシリアにかけてマグニチュード7.8の大地震が起きたのです。このニュースを知ったのは、テレビではなくスマホのSNSにおいてでした。突然、大きなビルやマンションが次々と崩壊、倒壊する映像が流れ、「アッラーフ・アクバル!」と恐怖の雄叫びをあげながら逃げ惑う群衆の映像が流れてきました。最初は映画か何かの映像かと思いましたが、関連動画を見ながら、コメント欄を見ていると、現実にトルコで起きていることだということがわかりました。これは大変なことだ、と思いながらテレビをつけて詳細を知ろうとしましたが、しばらくはほとんど何のニュースもありませんでした。ただ日常のエンターテイメントとバラエティ、そしてニュースはルフィー事件に関わることが延々と流れていました。この件で、私は2つのことを感じました。
 
 1つ目ですが、現時点で亡くなった方は2万人以上、被災者は2000万人以上と言われており、日本の東北大震災の被害を既に上回っている悲惨な事態となっています。おそらく地震大国日本と比べても、恐ろしい規模の地震だったに違いありません。しかし、同じ地震が日本で起こったら、こんなにも多くの被害と犠牲がでたでしょうか?これまでの震災の数々を思い返すと、おそらく答えは否でしょう。それは、地震の巣の上に住むと言われている私たちが長年舐めてきた辛酸の歴史から学んだ科学技術に基づく耐震建築の進歩があるからこそだと思います。現在、昼夜問わず、勇敢なトルコやシリアの人々が救助にあたっており、多くの命を救っている映像もまたSNSでたくさん流れており、人間の勇気と偉大さを目の当たりにします。しかし、願わくば、このような事態にならないように、次こそは耐震建築を強化し、大切な命を守ることを願わずにはいられません。日本の技術と援助が今こそ役立つ時ではないでしょうか。
 
 2つ目ですが、この大惨事に対する日本のメディアの扱いの少なさです。本来であれば、直近では世界的な自然災害を被った日本こそが大きな関心を示し、迅速に援助を行う立場ではないかと思います。しかし、実際は、この件に対しての情報量はマスコミよりも、スマホから流れてくるSNSの映像と現地からの情報が圧倒的に多いのです。関心がないのか、情報ソースがないのか、あっても視聴率につながらないから流さないのかわかりませんが、マスメディアの存在意義について考えてしまう出来事でした。

 トルコは世界の中でも大変な親日国として知られています。それは1890年(明治23年)の紀伊半島沖でトルコの軍艦エルトゥールル号が遭難し、住民が懸命な救難活動を行なって以来、両国には友情が続いております。1985年のイラン・イラク戦争では、イランから脱出できなくなった215名の日本国民を、トルコ政府は救援機まで派遣して救ってくれました。この時、トルコ全権大使ははっきりとこう言ったそうです。「エルトゥールル号のご恩返しをさせていただきましょう」。トルコは約100年間、恩を覚えていてくれていました。さて、私たちはどうでしょうか?

 5月にいよいよコロナが2類から5類相当になることが決定しました。公費負担はしばらく残るようですが、コロナワクチンは自費になる可能性があるようです。詳細が分かり次第、情報をお伝えしたいと思います。立春が過ぎ、雪まつりが終われば、冬将軍の勢力が弱まります。雪かきで体を鍛えながら健やかにお過ごしください。

 写真は冬の千歳川です。吹雪が収まると極上の夕焼けが姿を現しました。


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